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ロッテ井口監督がドラ1松川虎生を“城島のような打てる捕手になる”と大絶賛する理由「スカウト陣に感謝」「高卒とは思えない」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2022/02/22 11:02
「打てる捕手」としての期待が懸かるロッテのドラフト1位の松川虎生。井口監督はリーダーとしての素質にも期待しているようだ
――さて、#1の冒頭でもお話を頂きましたが、ロッテにとって今年ははっきり優勝を取りに行く年になると思います。そこで去年の戦いを振り返って、勝ち切るために、このチームは何が必要だとお考えですか?
井口 今年テーマにしているのは、やっぱりチームプレーというところです。去年は最終的に連係でミスをしたり、投手なら1球の重みみたいなものをかなり味わった年でした。そのためにピッチャーは精度を上げるのはもちろんです。攻撃面でもチームプレー、チームバッティングというのはこのキャンプでも徹底的にやっているところですね。
――もちろん選手には打ちたい、いいボールを投げたいというものがベースにあったと思います。そこに勝つためにどうしたらいいのかというところをプラスアルファとしてどう植え付けていくか。
井口 去年から大分、できつつはあります。昨年のチーム打率は2割3分9厘でしたけど、そこがパ・リーグ最多得点にもつながったところだと思います。ただ、今年は凡打してもランナーを1つでも先の塁に送るとか、そういうことをさらに徹底してやりたいとは思っています。その上で個人の成績をさらに伸ばせば、当然もっと得点力は上がるはずです。
――去年のクライマックスシリーズのファイナルステージのように、ああいう状況の中で打てなくてもどれだけ点を取っていくか、という野球がやっぱり必要なのかなということですね。
井口 まあ、そうですね。いいピッチャーからどう点を取るか。そこが最終課題だとは思いますよね。
――それこそがキャッチフレーズの『頂点を、つかむ。』という強い意志につながっていく。
井口 そうですね。今年はチームプレーの中で勝たなくちゃいけないと思っているので、このキャンプでは勝つための作戦だったり、勝つための野球というのを練習とシートノックの中で徹底してやっています。盗塁に関しても去年はトップでしたし、そこはウチの特長です。足を使わないと勝てないチームなので、足を使いながらの作戦……去年より細かい作戦をいろいろ入れながら、キャンプでは練習しています。その辺をもう少し徹底できたらいいなと。
どうしても安田(尚憲)、山口(航輝)、外国人とかが塁に出てしまうと、そういう作戦に制約がかかってしまう。でも、選手たちにはやっぱりベンチが求める作戦がしっかりできないと一軍で出られないぞ、とは言っています。キャンプでは彼らにもバントだったり、エンドランだったり、いろいろなことをやらせています。
――最終的にはベンチ主導で勝てる野球をやる。
井口 勝てるというか、勝つ野球を今年はしたい。そのためのいま、そのためのキャンプなので、その辺を今年は初日から重点的にやっています。
――チーム全体の意識改革というか、5年目の今年は井口監督が思ってきた勝つ意識というか、勝ちきる意識というか、そういうものがかなり手応えをもってチームの中に植え付けられてきたということでしょうか。
井口 そうですね。チームとしてもそうですし、球団フロントも含めて、一体となってそういう方向へもっていこうと、いまこうしてやらせてもらっている。若い選手をしっかり育てながらチームを作るというのも球団のビジョンの中にあるので、そこは去年までにできていたところです。
今年に関しては、若い選手だって、ただ経験を積ませるのではなく、結果を求める年だと思っています。そういう意味では安田であろうと、誰であろうと、成績が振るわなければ、当然二軍に落とします。全員がそういう気持ちで臨んでいます。
――容赦しないという感じですね。
井口 今年は勝つための采配になる。かなり厳しい采配になるとは思います。
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