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プロ3年目・佐々木朗希は「順調すぎるぐらい順調」「手がかからない」ロッテ井口監督に聞く“頂点をつかむ”ためのピッチャー構想
posted2022/02/22 11:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
昨シーズンは141試合目まで優勝争いを演じながら、惜しくも最後に苦杯をなめて2年連続の2位に終わった千葉ロッテマリーンズ。
3年目の佐々木朗希投手、昨季後半にブレークした小島和哉投手を筆頭にした投手陣に、中村奨吾内野手や荻野貴司外野手といった中堅選手に加えて安田尚憲内野手、藤原恭大外野手、山口航輝外野手らの若手の台頭が期待される打線と、チーム力は着実に整備されつつある。
そのチームを率いて5年目を迎えた井口資仁監督が掲げた今季のスローガンは『頂点を、つかむ』――シンプルだが、強い意志が伝わるこの言葉に込めた指揮官の覇権奪取への思いを全3回にわたりお届けする。
第1回は今季ついにリミッターを外される佐々木朗希投手を中心とした投手陣への期待を語ってもらった。(全3回の1回目/#2、#3へ)
◇◇◇
――監督に就任されて5年目。2年連続2位とチームは順調にステップアップしてきて、今年はいよいよ優勝に手をかけるシーズンだと思いますが、監督ご自身、今年のチームへの手応えをどう感じていますか?
井口 まず、今年は本当に優勝を目指す年だと思っています。監督に就任して3年目、4年目と順調にチームの形は思い描いた通りになってきました。いよいよ今年かなというところですね。それが『頂点を、つかむ』というチームスローガンにもなっていますし、去年の戦いの経験というのは、間違いなく今年に生かされると思います。
――2年連続の2位。しかし一昨年と去年とでは、違った手応えみたいなものはありますか?
井口 まあ、一昨年は10ゲーム以上(14ゲーム)離されての2位です。しかし選手には去年は141試合目まで優勝争いできた自信と、その中で最後まで勝ちきれなかった悔しさがある。そこが今年にかける思いです。我々もそうですし、ファンの方もそういう思いで、今年に臨めるのではないかなと思います。
――優勝が現実的に手の届く、そこまで来ているという実感みたいなものを、監督自身も選手も感じているということですね。
井口 今年は自分もそうですし、選手も優勝というものを肌で感じながらキャンプに入ってきていると思います。だから選手たちのキャンプへの入り方も、例年以上にいいですね。去年の優勝争いの中の試合で、こういう点の取り方をすればチームは勝てるんだというのを、選手も分かったと思います。このチームは、チームプレーの精度を求めていかないと勝てないチームなので、去年はそこのところが確実にチームに浸透した年でしたし、今年こそはというところはあると思います。
佐々木朗希は「順調すぎるぐらい順調」
――投手陣について伺いたいのですが、まずはどうしても佐々木朗希投手の話になってしまいます。今年のキャンプの佐々木投手はどうですか?
井口 順調ですね。順調すぎるぐらい順調です。恐らくこのオフはすごくいい過ごし方をしたと思うので、キャンプの初日からブルペンに入ってしっかりと投げ込んでいました。彼は一日一日、しっかり課題を持ってプランを持ってやっている選手なので、まったく心配はしていません。ベテランと同じぐらいの考え方を持ってやっていますからね。
――去年までは育成を軸にケガをさせないで、その中でどうチームの戦力として使っていくかという起用方法だったと思います。今年はどういう使い方になりますか?
井口 当然、ローテーションに入って週に1回位の先発でいけるように、彼も仕上げてきてくれています。それより1年間ローテーションで回って、その中でどう勝つか。多分、彼はそこしか考えていないと思いますけどね。