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ロッテ井口監督が求める安田尚憲、藤原恭大らが“1年間レギュラーを張る”ための条件と「野球センスNo.1」と評する選手とは?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2022/02/22 11:01
日本一を目指すチームにおいて、安田や藤原ら若手野手陣の奮起は欠かせない要素となるだろう
――藤原選手もやっぱり中心打者に育って欲しい選手の1人だと思います。藤原選手に関してはどのように見ていますか?
井口 去年はスタートにちょっと失敗しましたけど7月、8月と月間MVPを取って結果を残している。僕の中では彼は体力不足ですね。1カ月で3、4キロも体重を落として、まったく自分の身体も管理できていなかったので、その辺は数値もすべて出ているので課題ですし、まだまだ1年間戦える身体じゃなかったなというのは本人が一番実感したところじゃないですかね。やっぱり出たらずっと出ずっぱりの選手なので、今年はそういうことがないように自己管理をしっかりすることです。
――藤原選手に期待する部分は?
井口 恭大に関してはやはりいずれ荻野(36歳)と1番打者を代わらなくちゃいけない選手だと思っています。彼は走攻守すべて揃って、その中に長打も入っている選手。去年は2番にずっと置いていましたけど、やっぱり1番の切り込み隊長としてやっていって欲しいなという思いはありますね。
荻野も去年は1年間できましたけど、今年できる保証もない。早く世代交代できるぐらいになってくれれば、荻野の負担も多少減ってくるのかなとは思うんですけどね。
井口監督が考えるレギュラーの条件
――そうすると1年間、コンディショニングをきっちり維持できる体力をキャンプでどう作れるか。
井口 そうですね。あとキャンプというよりは、シーズン中に、どれだけ自己管理をして状態を維持しながらプレーできるかというところでしょうね、彼の場合は。
――やっぱりいくらポテンシャルがあってもコンディショニングが悪くなったらもう全然ダメですよね。
井口 ただ年間を通して出ている選手でも、コンディションがいいときって1カ月ぐらいしかないです。だとしたら自分の体調のアベレージが下がっているときでもしっかりとした成績、小さい波に変えなくちゃいけない。それができるのがやっぱりレギュラーだと思います。
当然20%のときもあるし、60%のときもある。でもまあ、アベレージで50から70の体調をキープしておかなくちゃいけない。成績もそうですけど。結局はそういう選手が、レギュラーに入り続けられる選手なんです。
――藤原も去年の経験をどう今年に生かせるか……。
井口 そうですね。去年、いいのと悪いのと、両方を彼は経験している。課題はその両極端なところですね。それをしっかりアベレージで出してくれたらいい。