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プロ3年目・佐々木朗希は「順調すぎるぐらい順調」「手がかからない」ロッテ井口監督に聞く“頂点をつかむ”ためのピッチャー構想
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2022/02/22 11:00
プロ3年目のシーズンを迎える佐々木朗希。実戦登板でも163キロを投じるなど、今季への期待が膨らむ仕上がりをみせている
――いよいよリミッターを外すときがきた!
井口 そうですね。もちろんしっかりコンディション管理をしていきます。球数など抑えるべきところは、多少抑えながらですが……そこぐらいですかね。
――基本的に週1回のローテーションで回るとなれば、ポテンシャルからしても彼が2桁以上勝つことが優勝への1つの条件になってきますね。
井口 はい。ただやっぱり先発陣というのは、基本的には貯金を作れないと評価はされないと思います。1年間投げても10勝10敗だと、やはり5番手、6番手のピッチャーになってしまう。彼はしっかり貯金を5とか、10とか作れるピッチャーになってくれると考えています。
――キャンプのブルペンをご覧になって、ボール的には何か変化はありますか?
井口 いまはどうやってストライクを取るかとか、そこを考えながらやっていますね。去年はとにかく速い真っ直ぐを投げ込んで、というイメージがありましたけど、今年はその中で球数をどう減らして、長いイニングを投げるかというところにトライしていると思う。ブルペンを見ていますと、色々な意味で精度がどんどん上がってきています。
――スライダーやカットボールもありますが、去年は基本的にはやはり真っ直ぐとフォークという投球でした。
井口 佐々木に対するバッターは基本的には真っ直ぐを狙ってきているので、そこをどうかわしながら球数を減らした投球ができるかというところじゃないですか。真っ直ぐを狙われている中で、真っ直ぐを投げてもファウルになって球数が増えてしまう。その辺を考えながら、どれだけ長いイニングをしっかり放れるか。そこが今年の彼のテーマじゃないですかね。
「何でもすぐできちゃう」
――その辺の精度はどうですか?
井口 やっぱり指先が器用なんでしょうね。何でもすぐトライして、何でもすぐできちゃう。フォークについても、いままた精度を上げようと思って、何かやっているみたいですけどね。フォークでちょっと変化を出してみたりとか、何かやっていますよ。
――上原(浩治)投手みたいな感じだ。
井口 カウントを取りに行くフォークとか、空振りを取れるフォークとかね。一つの球種でも、そういうものが自在に使えるピッチャーですから。
――そうやってちょっとずつピッチングの枠を広げていっている。
井口 そうですね。自分の幅を広げているんだと思います。
――あとは体力的な問題ですね。
井口 まだ1年間フルでローテーションを回ったことないですから。恐らく今年は、去年より相当、多い球数になると思いますので。でもその辺の身体のリカバリーとかも自分でしっかりやっている選手です。ほんとに感心します。
――手がかからない選手……。
井口 まったく手がかからない。逆に、秋季キャンプから開幕に向けてトレーナーに「飛躍するためのプランを作ってください」と本人が言うぐらいなので。しっかりしていますよ。