「それはもちろん感じています。それこそが鹿島で得たもののひとつだと思っているので。シーズンが始まれば、より強く意識すると思います。ピッチを離れたところでも、アドバイスやいろいろなことを伝える場面が増えてくるだろうし、改善点はたくさん出てくるはず。そこで自分がどう振る舞ったり、どんな言葉を掛けるかが問われてくる。そこはシーズンが始まってからも鹿島での経験を信じてやっていきたいです」

満男さん、篤人くんがいるから勝てるという雰囲気が

――憧れの存在だった小笠原満男さんと一緒にプレーしました。小笠原さんと過ごした時間は、永木さんにとってどんなものでした？

「本当に小さい頃から憧れていた選手なので、同じチームに在籍できてすごく幸せでした。ダブルボランチを組ませてもらうことも多かったので、単純に嬉しかったですね。満男さんのプレーや、試合中にかける言葉を隣でずっと感じていて、凄いと思うところがたくさんあった。自分も真似しなきゃいけないことが多いし、湘南で自分が満男さんのような存在になれるようにやっていきたいという目標があります」

鹿島時代は小笠原らを通じて勝者のメンタリティを得てきた　©J.LEAGUE

――湘南は昨季、引き分けた試合が16もありました。それをいかに勝利に持っていくかがひとつのテーマになりますが、そのうえで永木選手が小笠原さんや内田さんから学んだことを生かせるのではないでしょうか？

「やっぱり、満男さんがいるから、篤人くんがいるから勝てるという雰囲気が鹿島にはあったんですよね。少なくとも僕にはそうした安心感がありました。湘南では、自分が若い選手たちにそう思ってもらえるだけのプレーや存在感を出していくことが大事になるんじゃないかなと。『あの人がいたから勝てたね』と思われるような存在になっていきたいと思っています」

7年ぶり復帰、湘南のベースは変わってない

――15年限りで湘南から離れたとき、いつかこのクラブに戻ってきたい、最後はこのクラブで終わりたい、という考えもあったんですか？

「いや、先がわからない世界ですから。その都度、いろいろな思いはありましたけど、絶対に湘南に戻るとか、鹿島でずっとやり続けるといった気持ちはなかったですね。この冬に正式に決まるまで、自分がどのチームでプレーするのかもわからない状態でしたから」

――かつて永木選手が在籍されていた時代は、高山薫選手、菊池大介選手、遠藤航選手と、イケイケで勢いのあるチームでしたが、7年ぶりに復帰して、チームの雰囲気やカラーをどう感じていますか？

「ベースは変わってないですね。若くて、走れて、勢いのある選手が揃っている。湘南に戻ってきて一番驚いたのが、練習の強度の高さ、展開の速さ、スピードの速さです。そこは鹿島よりもあるんじゃないかと。それだけでは勝てないことはわかっていますけど、その部分を消してはいけない。改めて湘南らしいなと感じたところでした。あとは、自分たち経験のある選手がしっかりコントロールして、落ち着かせるべきところで落ち着かせられるかどうか。それができればバージョンアップされると思うので、そうした役割を自分が担えれば、と思います」

――山口智監督からは、ピッチ内外でどんなことを求められていますか？

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