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「湘南で満男さんのような存在に…」古巣復帰・永木亮太33歳 “背番号41の初心”と、鹿島を経たからこその“20代と違う貢献”
posted2022/02/17 17:00
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Shonan Bellmare
――一昨日、同じ企画で浦和レッズの岩尾憲選手にインタビューしたんですけど、岩尾選手が「亮太にはすごく影響を受けたし、刺激を受けた」と話していましたよ。
「本当ですか!?」
――永木選手のことをこう言っていました。「ちょっとやそっとの痛みではピッチから出ないタフさだったり、普段は天然なんですけど、試合ではすごく負けず嫌いで闘う姿勢を前面に出す。そういう勝負師の姿は自分にないもの。お互い年は取りましたが、まだまだ第一線で、刺激し合いながらやっていきたい」と。
「僕も憲は今、一番気になる選手ですよ」
――2011年、湘南ベルマーレの同期入団ですもんね。
「憲は当時、ケガもあって、なかなか試合に出られなくて、苦しい時期を経験して。でも、それを乗り越えて、徳島(ヴォルティス)で確かな地位を築き上げた。僕も憲が出ている試合は見ていたし、周りからの憲の評価を聞いたりして、本当に素晴らしい選手になったんだなって。そんな憲が今年、浦和に移籍した。どれだけやれるのかすごく楽しみだし、僕も憲から刺激を受けています。同級生のプロ選手が減ってきていて、34歳を迎えるシーズンにJ1でバリバリやれる選手ってそんなにいないので、いつまでも刺激し合える関係でいられたら、と思っています」
大学4年でつけた「41番」を再び背負って
――彼が浦和で選んだ19番は、湘南で最初にもらった背番号で、「初心に戻る」という意味もあると。永木選手が今季、湘南で選んだ41番も初心に戻るという思いが込められているそうですね。
「大学4年で湘南の特別指定選手としてJリーグの舞台に立たせてもらったときの番号が41番でした。ずっと目指していた舞台に立てた瞬間だったので、41番には思い入れがあります。7シーズンぶりに湘南に戻ってきて、(かつて付けていた)6番が空いていなかったという事情もあるんですけど、『それなら41番がいいな』という気持ちに素直になったんですよね。41番を背負って、成長した姿を見てもらいたい、という思いが今はすごく強いです」
――大学4年の頃のチャレンジ精神やワクワクする気持ちを取り戻していますか?
「たしかに、鹿島(アントラーズ)でプレーしていたときとはちょっと違う、ドキドキ感やワクワク感がありますね。それに今、純粋にサッカーを楽しめている自分がいる。やっぱり環境が変わると、気持ちも変わるんだなっていうことを実感しながらやっています」
――永木選手が鹿島に移籍した2016年、湘南はJ2に降格してしまいましたが、1年で復帰してからはJ1に定着しています。湘南の成績は気になっていましたか?