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目指すは「勝ち点55で5位以内」…湘南は“残留を争うクラブ”から脱却できるのか? 永木亮太「決して高すぎる目標ではない」

posted2022/02/19 06:00

 
目指すは「勝ち点55で5位以内」…湘南は“残留を争うクラブ”から脱却できるのか? 永木亮太「決して高すぎる目標ではない」<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

昨年10月23日の横浜FC戦、山田直輝の劇的な決勝ゴールで残留に大きく前進した湘南ベルマーレ。今季こそは残留争いに巻き込まれることなく、「5位以内」という高い目標を達成することができるか

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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Masashi Hara/Getty Images

 周囲を驚かせる「野心」が、クラブを貫いている。

 2022年の湘南ベルマーレは、「5位以内」を目標に掲げた。

 昨シーズン最終節でJ1残留を決めたチームが、19年から3シーズン連続で残留争いに巻き込まれたチームが、リーグ戦5位以内をターゲットに据えたのだ。相当なジャンプアップである。

 眞壁潔代表取締役会長は、「新しい価値観を作り出す」と語る。市民クラブとして地域と一体になって存続し、J1昇格とJ2降格を繰り返す時期を経て、18年からJ1に定着している。ライザップグループの支援を受けるなどして、経営規模も大きくしてきた。10年前、20年前と比較すれば、確かな進歩を感じさせる。

 地域貢献や地域密着につながる活動を、地道に積み上げてきた。「SDGs」という言葉が一般化する以前から、持続可能な社会の形成に取り組んできた。地域の公共財として欠かせないスポーツクラブとなってきたが、ベルマーレはいまこのタイミングで存在意義をもう一度見つめ直したのだ。

 眞壁の言葉を借りれば、「生き残りから成長」ということになる。J1で戦い続けることに価値を見出すだけでなく、さらにその先の世界を本気で追い求める決意を固めたのだ。

目指すのは「クラブ全体のマインドチェンジ」

 フロントの思いは、現場も共有している。坂本絋司スポーツダイレクター(SD)が言う。

「山口(智)監督と強く共有したのは、勝ちにこだわるチームを作ろうということでした。クラブとしていままでの立ち位置を変える。サポーターの方、スポンサーの方の目線を変える。みんなが、クラブ全体がマインドチェンジをして、いまの立ち位置じゃない、もっと高いところを目指そうというような話をしました」

 坂本SDが言う「もっと高いところ」が、J1リーグ戦での「5位以内」である。勝ち点は「55」を目安とする。山口監督は「それで6位とか7位になる可能性もゼロではない」とし、勝ち点55プラスアルファで5位以内をつかみ取る、との目算を描く。

【次ページ】 得点力不足と終盤の失点という“明確な課題”

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