「ブルペンなら変化球も含めて10球投げて最低でも8球、一流になるには9球かそれこそ10球、そういうボールを投げられるようにならないとダメだね。素人はすぐに1球や2球のいいボールに目を見張って大騒ぎするけど、キャンプのブルペンではそこをちゃんと観なくちゃ通用するかどうかは分からない」

　それからキャンプのブルペンでは、球のスピードや威力、変化球のキレも観るのだが、まずはそこを注視するようになった。

トミー・ジョン手術からの復活をかける3年目の堀田賢慎

　さて、そんな視点で観た巨人の2月3日の宮崎キャンプのブルペン。お目当てはトミー・ジョン手術からのリハビリを経て、今季に完全復活をかける3年目の堀田賢慎投手だった。

　この日はキャンプ2度目のブルペン入り。アップとキャッチボールを終えて投手陣がブルペンに入ったが、1番手で投げるはずの堀田がなかなかマウンドに上がろうとしない。実はちょうど取材した日は元西武の松坂大輔さんが取材で訪れていて、原辰徳監督の希望で堀田のピッチングを観てもらうことになっていたからだった。要は松坂さん待ちでの待機だったが、それもまた原監督が秘蔵っ子として期待を寄せている証でもある。

　そうして原監督のエスコートで松坂さんがブルペンに到着して始まった堀田のピッチング。噂に違わず力強い真っ直ぐで大城卓三捕手のミットからは気持ちのいい捕球音がブルペンに響き渡った。

しっかり指にかかったボールで抜け球がほとんどない

　この日は52球を投げて、そのうち変化球はスライダー、カーブ、スプリット、チェンジアップを各2球ずつの合計8球。力感のあるフォームから投げ下ろす真っ直ぐは140km台後半は出ている感じだ。肝心の指のかかり具合も、しっかり指にかかったボールで抜け球がほとんどないところに好感が持てる。ほぼほぼ力のあるボールが低めに集まっていた。

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— Number編集部 (@numberweb) February 6, 2022

「この前（キャンプ初日）より力を入れた感じで投げたんですけど、その中でも力みという感じではなくて、いい感じに力が入っていました。思った以上に投げられたかなと思います」

　投球後に堀田はこう語った。

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