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プロ野球PRESSBACK NUMBER
周東佑京、和田康士朗に続く“俊足ランナー”候補は? 一塁への到達タイム「4秒切り」のスゴい脚リスト
posted2022/02/04 11:08
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph by
Sankei Shimbun
#1では野球選手の50メートル走タイムに関して言及した。野球選手のスピードを示す基準として、各塁の到達タイムで紹介すべきではないかという内容の記事である。
一塁への到達タイムで、4.00秒を切れば俊足というレベルで、プロのトップとなると3.8秒台をマークすることも珍しくない(右打者は打席位置の関係から左打者と比べて0.2~0.3秒程度不利と言われている)。
プロ野球の世界でも、ここ数年で“俊足の選手”の価値が改めて見直されているように思う。2019年のプレミア12では周東佑京(ソフトバンク)が代走の切り札として大活躍を見せ、昨年は育成出身の和田康士朗(ロッテ)が盗塁王に輝くなどチームのクライマックスシリーズ進出に大きく貢献している。
その影響もあってか昨秋ドラフトでも鈴木大和(北海学園大→巨人育成1位)、藤野恵音(戸畑→ソフトバンク育成1位)、村川凪(徳島インディゴソックス→DeNA育成1位)、滝澤夏央(関根学園→西武育成2位)、大橋武尊(茨城アストロプラネッツ→DeNA育成3位)と走塁のスペシャリスト候補が多く指名されている。
“スピード自慢”一番手は駒大・浦口
筆者はアマチュア野球を取材する際、出場する全選手のタイムを計測しながら試合を見ることを常としている。そのタイムはリストで管理しているが、今季のドラフト対象選手でも、プロの世界でトップクラスに入る俊足の選手が非常に多い。特に大学生については、あらゆるリーグに“スピード自慢”が存在している。
昨季ブレイクしたのが、駒澤大の浦口輝(外野手・三重高)だ。
三重高時代は3年春のセンバツで2番・ライトで出場。3回戦の乙訓戦では決勝のホームランを放ち、チームの準決勝進出にも貢献している。大学では2年までリーグ戦出場はなかったものの、3年春に外野の一角に定着すると、12試合でリーグトップの8盗塁を記録してみせた。4月9日に行われた国学院大戦では3安打を放ったが、第3打席のショート内野安打での一塁到達タイムは3.76秒。続く4月12日の亜細亜大戦でも第2打席のセカンド内野安打で3.77秒をマークしている。昨年の春秋のリーグ戦で浦口が一塁を駆け抜けたタイム(ヒットやフライアウトでベースを回ったケースを除く)を合計9本計測することができたが、その全てが3.90秒未満だった。
また、前述した國學院大戦ではセンターフライで4.11秒、センター前ヒットで4.18秒をマークしているように凡打やヒットでも足を緩めていないことがよく分かる。打撃は非力だが、昨年は2季ともに打率.270をマークしており、秋は長打が増えていたことも好材料だ。