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「いまは喋りたくない」巨人・原監督がドラ1・3年目の“秘蔵っ子”堀田賢慎の“コメントを拒否”したワケ《松坂大輔はほめていたが…》
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySankei Shimbun
posted2022/02/06 11:02
2019年のドラフトで巨人に1位指名された堀田。トミー・ジョン手術を経て、今季は一軍での活躍が期待される
原監督「堀田のことはいまはあんまり喋りたくないんだ」
まだまだ7分程度の力感でも、いかにも回転の良さそうな真っ直ぐに、松坂さんからも「思った以上に真っ直ぐがいいね」と声をかけられたという。
「堀田のことはいまはあんまり喋りたくないんだ」
投球練習後に原監督を直撃すると、意外にもこんな答えが返ってきた。
キャンプ前に取材した時には、もちろんこの堀田とプロ2年目で同じくトミー・ジョン手術から復帰を目指す山崎伊織投手と2人の名前を挙げて、今季の期待を寄せる新戦力としてその才能を絶賛していたのに、である。
だからこそ2人を一軍キャンプに抜擢し、この日も松坂さんにわざわざ投球を見せたりもしたはずだった。
「やっぱりいまは、メディアを通して何かを言って、本人に違う解釈をされるのは嫌だからね。言わなければならないことは、僕や(桑田)真澄(投手チーフコーチ)から直接、伝える」
“コメント拒否”の理由だった。
同期の奥川恭伸、佐々木朗希、宮城大弥らが華々しい活躍
プロ入り直後に肘の故障が発覚し手術、リハビリと長い道のりを歩いてきた。同期のヤクルト・奥川恭伸投手やロッテの佐々木朗希投手、オリックスの宮城大弥投手らが華々しい活躍を見せる中で、本人も様々な思いを抱きながら、この2年間、苦しく長い道のりを歩いてきたはずだ。
だからこそいま、たどり着いたスタート台で決して先を急がせない。ここまで復活への道を順調に歩んできたからこそ、きちっと仕上げ作業に取り組ませなければならない。この“コメント拒否”は、堀田の才能を潰せないという原監督の強い意志の表れでもあるということだった。
だからこそ今後のキャンプの課題は、段階を上げていく中で、どうこの精度を保ちながら、ボールの質を上げていくかという点になるのだろう。