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「新庄さんは『イカゲーム』をやろうとしている」水どう・藤村忠寿Dが考える“新庄野球の楽しみ方”「変革の敵になりうるのは…」 

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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posted2022/01/26 11:02

「新庄さんは『イカゲーム』をやろうとしている」水どう・藤村忠寿Dが考える“新庄野球の楽しみ方”「変革の敵になりうるのは…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今季からチームを率いる新庄剛志監督への期待を、怪物番組『水曜どうでしょう』藤村忠寿Dが語る

――就任会見では「優勝なんか一切目指しません」というコメントもありました。

藤村 これまでのプロ野球って、まず大前提として「優勝を目指す」。それを達成することで、球団の売上も上がる。そうすれば万々歳という理論だったと思うんです。でもそれって、ちょっと単純すぎないかなとは前から思っていた。

 もちろん僕だって、日本ハムが優勝すればうれしいけど、本当に愛されている球団は、たとえ勝てなくても、優勝しなくても、「次頑張ろうよ!」となるはずなんです。だから、勝利至上主義っていうのは、球団のほうが地元ファンの愛を信じられていないってことなんじゃないかな。「とにかく勝てばいい」というだけでは、エンターテインメントとしてあまりにもアイデアがないなと。

――なるほど。

藤村 それはテレビ業界にも言えることだと思います。たとえば『水曜どうでしょう』は視聴率だけ見れば“怪物的”な数字は残せていないけれど、実際、北海道のみならず全国に人気が広がっていって、その結果DVDや関連グッズも売れた。お客さんの心をつかんだという実感があるわけです。

映像作品やグッズも軒並みヒットを記録している。4月13日には、DVD&Blu-ray『水曜どうでしょう第32弾「初めてのアフリカ」』を発売 
©HTB映像作品やグッズも軒並みヒットを記録している。4月13日には、DVD&Blu-ray『水曜どうでしょう第32弾「初めてのアフリカ」』を発売 ©HTB

「『イカゲーム』の衝撃を、球界で起こそうとしている」

「視聴率」と「チームの勝利」を同列で語るのは少し乱暴かもしれないけど、新庄さんがやろうとしていることは、もちろん優勝争いに絡みたい。だけど、最下位であっても面白い試合をしますよ、ファンを楽しませますよ、と。

――新しい野球の楽しみ方を提示しようとしている。

藤村 そうそう。日本人は定番が好きで、新しいものはなかなか受け入れないけれど、海外のエンタメは、人の心を動かすために「驚かせる」ことを大切にしている。その点、新庄さんは『イカゲーム』(韓国ドラマ)をやろうとしているんじゃないかと。あの作品がエンタメ界に与えた衝撃を、球界で起こそうとしているように見えます。

――新庄監督は選手とのコミュニケーションの取り方も注目されています。清宮幸太郎選手に「ちょっとやせない? やせた方がモテるよ」と減量を命じたことも話題になりました。

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