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「ハタテが140万ポンドって冗談だろ?」前田大然ゴールに旗手怜央MOM、井手口陽介も… “セルティック5億3000万円トリオ”の勝算
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byRoss MacDonald/Getty Images
posted2022/01/20 11:02
チームメートの祝福に応える旗手怜央と前田大然。井手口陽介を加えた日本人新戦力トリオがセルティックに勢いを与えるか
昨季Jリーグ得点王に輝き、ポステコグルーとの共闘経験も持つ前田は前線のオプションに。リーグ優勝に貢献した旗手は中盤だけでなく、左サイドでもトップフォームを発揮できる。井手口はセルティックに欠けている中盤のストッパー役だ。
Jから一挙3人を獲得した理由とは
人手不足に悩むセルティックにとっては理にかなった補強である。
ポステコグルーは古橋と彼ら3選手の補強に対して「『日本人の4選手』と(ひとまとめに)表現するのは気を付けるべき」としつつ、今冬にJリーグから一挙3人を獲得した理由を明かした。
「ひとつは、私が働いていた場所なのであの地域のマーケットには詳しいということ。もうひとつは、12月にシーズンが終わるので、1月のマーケットには理想的だということ。1月のマーケットの早い段階で選手を獲得しようと思えば、この地域はビジネスを行うのに適した場所だ。日本人選手を4人連れてきたのではなく、4人のクオリティの高い、それぞれが違う形で、それぞれが貢献できる選手を連れてきたのだ」
横浜F・マリノスの監督としてJリーグで3年半を過ごしたからこそ、質の高い選手という確信をもって選手を獲得している。今冬の3人を合わせて推定5億3000万円という移籍金も破格の安さだ。
「冗談だろ、ハタテが140万ポンドだって?」
『BBC Scotland』でラジオ解説者を務める元スコットランド代表のマイケル・スチュワートは、
「冗談だろ? 旗手が140万ポンドだって? もし140万ポンドであんな選手が手に入るなら、信じられないことだよ」
と、ハイバーニアン戦での旗手のパフォーマンスに舌を巻いた。
古橋が前半戦のセルティックを牽引し、スコティッシュ・リーグカップのタイトルをもたらす圧巻の活躍を見せて間もなく、今冬に加入した選手たちのプレーは驚きをもって伝えられている。
彼らはポステコグルー監督のもと、「日本人カルテット」としてではなく、それぞれの持つ個性がチームにとって欠かせないものとなるのだ。
このあとセルティックは3位ハーツとの対戦を控える。かつては食野亮太郎が所属し、今冬にはコンサドーレ札幌の小柏剛にオファーを出している。ここもまた、日本人選手に対し高い評価をしている印象のあるクラブだ。