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プロポーズ直後の試合が、あのゼロックス杯…“嫌われた審判”家本政明48歳、大バッシング騒動を支えた妻への感謝とこれからの野望
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2022/01/13 17:02
ラストマッチのピッチに入場する家本主審。試合後に映像を見直してつけた自己採点は「9.5」
第一線を退いてからは、トップレフェリーの経験を活かしてサッカーの魅力を高めていく活動に入る。ただ、現段階でも具体的にはまだ何も決まっていないという。
「本当にこれからなんです。だって誰もやったことのないことをやろうとしているので。自分で何かアクションを起こしたり、発信したり、メディアに出たり……いろいろとチャレンジしていきたいとは思っています」
レフェリーの仕事は試合の振り返りまでが一括り。この先に担当試合がないと分かっていても、それが家本政明という人間だ。
翌日いつものように1.5倍速で自分のレフェリングをチェックした。
判定はどうか、自分のポジショニングはどうか、試合の流れをちゃんとつかめていたか、ノイズを立てていなかったか。
どの項目も、「◎」をつけることができた。10点満点の自己採点で、なかなか出せない「9.5」をつけることができた。
次にノーマルの速度、「サッカー目線」で振り返った。
スリリングでスピーディーで魅力的で。一番間近で見てきたはずなのに、ゾクゾクしてくる自分がいた。
次なる己の使命が何か、あらためて背中を押された気がしていた――。