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「パウロはサボるときが。とはいえ」人気YouTuberも“ゴールに見放されたMF”も「判断するにはずっと…」J2栃木シティ監督は選手をどう変貌させたか
posted2026/02/07 06:01
ピッチ内でもネット上でも存在感を放つ田中パウロ淳一。栃木シティの顔を今矢監督はどう見ているのだろうか
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Tsutomu Kishimoto
今季、J2に昇格した栃木シティの今矢直城監督に実施したインタビューの第3回である。
栃木シティの顔となっているのが、YouTuberでもある田中パウロ淳一である。だが田中は、移籍してきた当初から今の姿だったわけではなかった。どうして田中は、栃木シティで変貌できたのか。また今矢は、来るべき百年構想リーグを含めたJ2での戦いに、どんな展望と懸念を抱いているのか。今矢が語り続ける。
パウロには少しふざけながら言ったり
――マテイ・ヨニッチやピーター・ウタカら外国人選手と、通訳なしに直接話せるのはアドバンテージですか。(※今矢監督は幼少期をオーストラリアで過ごし、現役時代もオーストラリア、スイスなどでプレーした経歴を持つ)
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「間違いなく大きなアドバンテージです。彼らは中心選手で、彼らがハッピーな方がチーム状態も良くなる。それには直接話せた方がいい。ウタカはずっと試合に出ていたわけではないので、コミュニケーションはより大事でした。彼には通訳がいないので、僕が話に行かないと孤立してしまう。だから試合や練習の後で話はしていました。『気にかけてるよ』とかちょっとしたことですが、メンタリティの持って行き方も含めて声をかけていました」
――彼らが率先してやるかどうかはもの凄く大きい。それは日本人も同じで、都倉賢や奥井諒、岡庭裕貴らベテランが態度で示す。
「ヨニッチは真面目なので、放っておいてもちゃんとやりますが、ウタカやバスケスバイロン、田中パウロ淳一はどちらかというと……彼らを見て、獲らないという監督もいると思います。そこをどう同じ方向に向かせられるか。彼らも同じ人間なので、話し方次第でこっちを向いてくれる。パウロにはちょっとふざけながら言ったりとか」
いまだに守備には不満が…とはいえ
――パウロの変貌、規律とチームプレーを遵守する選手になったことが、栃木シティというチームが見直されるきっかけになった。獲る段階で彼なら変わるという確信はありましたか。
「むしろ最初は大丈夫かという感じでしたよ。守備はしない、ドリブルは引っかかるわで……たしかにキックは凄い。J1級で、そこは認めていました。でも、まず守備してください。ドリブルするのだったら抜いてください。人工芝に引っかかっている場合じゃないでしょう、と(笑)。慣れてないのはわかるけど、来た以上はここでやってくれよと。最初の3カ月ぐらいは、良くなる兆しはなかったんです」
――いつから目に見えて変わってきたのですか。

