マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「右打ちの大谷翔平クラスの逸材なのか…」小6が“軟球で”神宮球場レフトスタンドの衝撃ホームラン
posted2022/01/12 17:04
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
AFLO
いやあ、驚いた、驚いた。こんなに上手いとは思わなかった。
知り合いの息子さんが出ているのと、暮れで野球の現場もあらかた閉じてしまったので、「野球」が見られるのなら……と、『12球団ジュニアトーナメント』を見に行った。
プロ野球12球団それぞれに、小学5、6年生を対象にオーディションを通過した選手たちで編成した軟式野球のジュニアチームがあって、そのNo.1を決する大会が、今年は東京・神宮球場と横浜スタジアムで、暮れの28~30日に開催された。
じつは何年か前、中学硬式チームの大会を見に行って、結構退屈したことがあった。今回は6年生とはいえ「小学生」である。大丈夫かな……と思いながら見ていたが、あっという間に1試合7イニングが終わってしまった。
500~1000人から選抜された「16人」
くわしい人の話によると、500~1000人近い応募者の中から選抜された1チーム「16人」である。
それぞれのチームの本拠地のある地方の小学5、6年生たちが土・日・祝日に集まって練習するそうだ。大会パンフレットを見ると、たとえば「東北楽天」などは、青森・八戸の子がいたり、秋田でも、県北の能代や逆に岩手に近い田沢湖近辺の選手もいたり、福島、山形の選手もいて……練習は本拠地・仙台あたりで行われることがほとんどだというから、送り迎え役の家族の方たちの「根性」に頭が下がる。
当日のスタンドには、選手一人ひとりの名前を大書したのぼりがたくさん並び、やはり選手の名前を染め抜いたうちわがはためき、ワンプレー、ワンプレーごとに、応募の家族の方たちの大きな拍手が沸き上がる。
私が見たのは、前日の1回戦を勝ち上がった6チームで行なわれる2回戦の3試合。
参加したうちの半数のチームだけだったが、小学6年生の逸材たちのとんでもない能力を存分に堪能しながら、いろいろなことを考える機会になった。
全15試合で驚きの51本塁打
一人ひとり挙げていったら、キリがない。かといって、誰の話からしていけばよいかわからないほど、“人材”が濃くて、濃くて、どうしようか……というありさまである。
延べ15試合の大会が終わってみて、両翼70m、センター85mのフェンスを越えていった打球は驚きの51本。