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サッカー漫画家(超弱小校出身)が描く「選手権ヒーロー」 小嶺監督に川口能活や小笠原満男、“セクシー乾と半端ない大迫”のエモさ 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph byKiichi Matsumoto/Junsei Chida(illustration)

posted2022/01/10 17:03

サッカー漫画家(超弱小校出身)が描く「選手権ヒーロー」 小嶺監督に川口能活や小笠原満男、“セクシー乾と半端ない大迫”のエモさ<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/Junsei Chida(illustration)

第100回選手権の王者となった青森山田の松木玖生。サッカー漫画家の千田先生に心に残るヒーローを描いてもらった

当時の岩手勢では初戦敗退が当たり前でしたが、斎藤重信監督の元で下宿生活して、3年時にベスト16に進出。そしてその後、鹿島に入ってすぐに活躍したことも岩手のサッカー少年に対して、多くの希望を与えてくれましたね。高校時代のイラストを描くと、あどけなかったなあという懐かしさも(笑)。

 その小笠原を育てた、斎藤監督も岩手のサッカー界にとって大事な、大事な存在です。盛岡商業に移った斎藤監督のもとで、83回大会で福士徳文選手が得点王に輝きました。85回大会には大会前に心臓の手術を受けましたが、現場に復帰。岩手県勢初の全国優勝に導いたのは本当に感動的でした。

 喉頭がんにより声帯を半分切除した影響によって、気管孔を指で塞がなければ声が出ない状態で指導を続けた。多くのサッカー少年を指導した岩手の英雄なんです。

小嶺監督と怪物・平山、「半端ない」大迫

(3)小嶺監督、セクシー野洲と乾、怪物平山に半端ない大迫、底辺校の自分
 高校サッカーの名将と言えば、やはり小嶺忠敏監督に触れないわけにはいきません。国見高校時代には自費で購入したバスを運転して日本中で練習試合をこなし、全国有数のサッカー強豪校に仕立てました。長崎総合科学大附高でもその情熱は衰えず、第100回大会でも長崎県代表として出場しました。去る7日に76歳で逝去され、残念で仕方ありません……心からご冥福をお祈りします。

 その国見で強烈な印象があるのは、怪物・平山相太選手たちがいた時代でしょうか。もはや無敵、という感じでしたよね。とにかく練習での走り込みがきついという伝説を聞きますが(笑)、圧倒的なスタミナで過密日程のインターハイや選手権などのトーナメントが上がるにつれて、相手とのスタミナの差が生まれていた印象です(第82回大会決勝の筑陽学園戦も見に行きました)。平山の長身だけどちょっと猫背な感じ、でもすさまじい決定力だった感じも、キャラクターが出ていますよね。

 そして決定力と言えば……平山の1大会得点記録を塗り替えた大迫勇也選手(鹿児島城西/第87回大会で10ゴール10アシスト)。

 僕はもちろん、皆さんも絶対1度は口にしたことありますよね。「大迫半端ないって」って(笑)。

 国見などのスタミナ、フィジカル重視が主流な高校サッカーで異端だったのは野洲高です。

【次ページ】 「セクシー」なプレーと激弱サッカー部での思い出

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