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プロ野球PRESSBACK NUMBER
新庄剛志と別れて15年「野球選手じゃなかったら今でも…」 大河内志保50歳が告白する“アスリート妻の重圧と責任”
text by
河崎環Tamaki Kawasaki
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2022/01/01 11:03
野球選手・新庄剛志を15年にわたって支え続けた大河内志保(50)
「トライアウトの話はネットニュースで知ったんですが、ああやっぱり、と思いましたね。彼は当時から野球選手と見られるのがすごく嫌な人だったんです。自分を野球選手という言葉で集約しないでほしいというのがあったんだと思います。だからCMでも、“絶対にユニフォームを着ない”というのが彼の条件でした。そういうことを思い出して14年後の2020年『やっぱり俺は野球が好きだったんだ』と彼が言うの見た時に、やっぱりこの人は野球だったんだなって、すごく思ったんです。だから現役にトライしているのをすごく応援してたんですけど……。
それから1年経って、今度はまさかコーチも飛び越えて監督になるとは夢にも思ってなくて(笑)。いま、一番いい流れと状態で、彼の人生って最高なんじゃないですかね。最初の頃はニュースにもすごく注目して、彼の発言もあれこれ全部見ていたんですけれど、ここまできたらもう飽和状態、いまはもう放置です(笑)」
「どれだけ新庄さんの影響で元気にしてあげられるか」
大河内は付き合い初めからずっと、新庄を日本の宝だと思って支えることに全力を尽くした人だ。
「これからの日本にすごく必要なことを、身をもって体現してくれる大事な存在になってほしい。新型コロナで元気のない日本を、どれだけ新庄さんの影響で元気にしてあげられるか。いま何か上手くいってない、落ち込んでいる人たちに、新庄さんを見てごらんよ! なんか真面目に考えてたらバカらしいよ! 夢を真剣に思ってたら叶っちゃってるじゃん! って伝わるといいですよね。くよくよしてないで、とにかく明るく楽しく過ごしてたらいいことあるよ、みたいな。だって、その見本みたいな人だから(笑)」
別れた二人だけど、根性で前へ突き進み、信じる気持ちで道を切り開くという点では深く共通しているような。「日本の宝」と、「日本の宝を作った人」と。裏方から見たストーリーである大河内の著書には、新庄剛志本人から「買ってあげて下さい! でもそんなに真剣に読まないでね!」との帯文が寄せられている。日本で、米国で、お互いにあちこちぶつかり、角が削れて輝くアラフィフの彼らの生き様に、今の沈滞する日本が学べることはたくさんありそうだ。