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二塁・菊池涼介、遊撃・坂本勇人の守備範囲を見ると…?「イメージ抜きの守備指標」でゴールデングラブ賞を検証〈セリーグ編〉 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byShinya Mano/JMPA

posted2021/12/21 17:16

二塁・菊池涼介、遊撃・坂本勇人の守備範囲を見ると…?「イメージ抜きの守備指標」でゴールデングラブ賞を検証〈セリーグ編〉<Number Web> photograph by Shinya Mano/JMPA

坂本勇人と菊池涼介。東京五輪の日本代表でも鉄板の二遊間だったが、守備指標だけで見ると……?

2017年
菊池/守率.993(1)RF4.99(2)
山田/守率.988(3)RF5.20(1)

2018年
菊池/守率.996(1)RF5.15(2)
山田/守率.984(3)RF5.64(1)

2019年
山田/守率.989(3)RF5.03(1)
菊池/守率.985(4)RF4.77(2)

2020年
菊池/守率1.000(1)RF4.884(2)
山田/守率.991(4)RF4.886(1)

 菊池は守備率では概ね山田よりも優秀だが、RFでは常に山田の後塵を拝していたの

 昨年、菊池はシーズンを通してノーエラーで守り切り、NPB記録を樹立した。しかし二塁手に求められるのは、失敗しないことではなく、無理目の打球でも追いかけていって一つでも多くのアウトを取ることだ。

 菊池はレギュラーになった2013年、リーグ断トツの18失策を記録したがRFは6.23という驚異的な数字を残した。ここから始まり、RFは5点台後半をキープしながら失策数を減らし、リーグ最高の二塁手になったのだが、ここ5年、守備率は上がっているがRFはやや停滞。守備範囲だけなら山田哲人と互角、あるいはそれ以下になっている。

 選考委員の記者には「セの二塁手はベストナイン=山田、ゴールデングラブ=菊池」という固定観念ができているのだろうが、そろそろ見直すべき時に来ているかもしれない。

セカンドではDeNA牧、サードは村上が今後楽しみ

 一方で、今季は打者として衝撃のデビューを果たしたDeNAの牧が二塁のRFでは1位になっている。「新人でゴールデングラブは時期尚早」という声もあろうが、客観的なデータも考慮すべきだと思う。

【三塁手】
◎岡本和真(巨)/守率.988(1)RF2.26(2)
宮崎敏郎(De)/守率.985(2)RF2.40(1)
高橋周平(中)/守率.972(3)RF2.04(5)
大山悠輔(神)/守率.964(4)RF2.15(3)
村上宗隆(ヤ)/守率.957(5)RF2.13(4)
林晃汰(広)/守率.942(6)RF1.84(6)

 岡本和真が初受賞。三塁手は一塁手と同様、守備率、RFの順で考慮すべきだが、順当な結果と言えよう。個人的にはベストナインを受賞し、MVPにも輝いたヤクルト村上宗隆の粗削りながらアグレッシブな守備に魅力を感じている。

【次ページ】 坂本の“守備範囲”を見ると「ベテランの域」に?

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