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「真っ先に思いつくのはジダン。メッシとロナウドは当然で…」 名手アイマールが認める“天才”と“戦術時代”にこそ必要なもの

posted2021/12/22 11:04

 
「真っ先に思いつくのはジダン。メッシとロナウドは当然で…」 名手アイマールが認める“天才”と“戦術時代”にこそ必要なもの<Number Web> photograph by AFLO

2005年、アイマールとジダンのマッチアップ。当時のリーガは名手が揃っていた

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セルヒオ・レビンスキー&マリロ・バレラ

セルヒオ・レビンスキー&マリロ・バレラSergio Levinsky & Marirró Varela

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アルゼンチンの名手と言えば真っ先に思いつくのがメッシ。そのメッシにとって“アイドル”だったことで知られるのが、パブロ・アイマールだ。バレンシアなどで一時代を築いたクラッキは今、アルゼンチン代表でコーチを務めているが、当時と今、日本サッカーへの印象について語ってくれた(翻訳:井川洋一/全3回、#1,#2

──あなたが現役時代に対戦してもっとも印象的だった選手を、5人挙げてください。

「真っ先に思いつくのは、ジネディーヌ・ジダン。それからブラジルのロナウド、リバウド、ロナウジーニョは、ライバル国の選手ですが、彼らのパフォーマンスにはいつも驚かされていました。もうひとりは同胞の天才、フアン・ロマン・リケルメ。この5人に共通していたのは、実に独創的なプレーでファンやチームメイトだけでなく、相手も魅了していたことです。

 タイプ分けするなら、ジダンとリケルメにはエレガンスがあり、ロナウジーニョには瞬間的な超絶技巧がありました。リバウドのアクロバティックなプレーには度肝を抜かれ、ロナウドは超人的なスピードで信じられないプレーを繰り出していました。いずれも、ベースには極めて高いスキルがありました」

メッシとC・ロナウドは外せない、他には……

──では現役のアタッカーで、最高の5人を選ぶなら?

「リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドは当然、外せませんね。この2人については、私が多くを述べるまでもないでしょう。どちらも元は1対1に強いウイングでしたが、フィニッシュの能力を極限まで高めて、世界をリードしてきました。またカリム・ベンゼマとロベルト・レバンドフスキも、完成されたストライカーです。どちらも、キャリアを通じて成長を続け、ベテランの域に入った今も歩みを止めていない。

 ベンゼマはよりオールラウンドなタイプで、攻撃の組み立てにも的確に参加し、味方へのアシストも多い。レバンドフスキの決定力は高まり続けていて、難しい状況からも難なくネットを揺らしている印象です。最後の1人は、個人的に好きなリヤド・マフレズを推したい。瞬間的なスピードと極上の技術、相手の動きを察知する目と感性。それらを生かして、敵のバランスを崩し、決定的な仕事をする。驚きに満ちたマフレズのプレーを観るのは、私の大きな喜びです」

戦術性が増しても、“良いフットボーラー”の基準は普遍的

──あなたにとって、“良いフットボーラー”の定義は、いつの時代も変わりませんか?

【次ページ】 だからこそ、そうした経験が重要だと

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