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メルケル元首相とサッカードイツ代表の幸せな16年間…“お堅い”イメージを一変させたW杯の絶叫「あなたがとても恋しくなる」
text by
円賀貴子Takako Maruga
photograph byGetty Images
posted2021/12/16 17:00
16年に及ぶ長期政権の任務を終えたメルケル元首相。スタジアムで声援を送るなど、サッカーとの関わりも深かった
「私たちは2人とも、今が辞めるのに良い時だと思っている。これだけのインテンシブな時間の後だから、おそらくある程度空虚さを感じるだろうという話をした」
その言葉どおり、ともに今年で退任したため、ドイツではこの2人の時代を重ね合わせて、「1つの時代が終わった」と感じている人も多い。
ドイツ代表はハンジ・フリック体制で新時代に入った。政治では、SPD、緑の党、FDP(自由民主党)の3党連立政権が誕生した。首相となったオーラフ・ショルツ氏がサッカー好きだという話は耳にしない。サッカー絡みで知られているのは、ハンブルク市長時代(在任期間は2011〜2018年)、HSVが2部に、ザンクトパウリが3部に降格しそうになって、激励のメッセージを送ったことくらいだろうか。これからドイツ代表とどう付き合っていくのかはまだ想像がつかないが、来年にはさっそくカタールW杯を控えているので、“サッカー愛”はもうすぐわかるだろう。
シュバインシュタイガーはメルケルさんの退任に際し、ビルト紙で惜別の言葉を送った。
「私たちはまだこれから、あなたがとても恋しくなるのではないかと思います」
シュバインシュタイガーがメルケルさん不在の政治のことをも意味しているのかはわからない。ただ、ドイツのゴールが決まるたびに両手を掲げて嬉しそうに飛び上がる彼女を見られなくなったのは、ほんとうに寂しい。
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