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《南野拓実にとってはチャンス!?》アフリカ選手権開催で主力の離脱が…来年1月に最もダメージを受けるプレミアのクラブはどこか 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2021/12/10 17:01

《南野拓実にとってはチャンス!?》アフリカ選手権開催で主力の離脱が…来年1月に最もダメージを受けるプレミアのクラブはどこか<Number Web> photograph by Getty Images

エジプト代表のサラーとセネガル代表のマネ。リバプールは2人の得点源を1月に失うことになるかもしれない

 ワトフォードも大幅な戦力ダウンを余儀なくされる。

 ピーター・エテボ、エマヌエル・デニス、ウィリアム・トルースト・エコング(すべてナイジェリア代表)、イムラン・ロウザ、アダム・マシナ(ともにモロッコ代表)、さらにセネガル代表のイスマイラ・サールまで失う危険度が高くなってきた。

 しかも、もともと選手層が薄い。クラウディオ・ラニエリ監督が、“修繕屋” の異名が示すように再建術に長けた指揮官だとしても、これだけの大量離脱に耐えうるアイデアを思いつけるだろうか。なお、第15節終了時点でデニスは6ゴール・5アシストで、チーム総得点の55%に関与している。

マティプの決断がリバプールの運命を左右する

 そんななか、最も厳しい立場に追いやられたのがリバプールだ。

 エジプト代表のモハメド・サラー、セネガル代表のサディオ・マネ、ギニア代表のナビ・ケイタ、さらに、カメルーン代表歴を持つジョエル・マティプまでもが戦列を離れるかもしれない。

 確かに、マティプは代表からの引退を公言している。配当されるボーナスの割合や食事、宿泊施設などを改善せず、私腹を肥やすだけのカメル―ン・サッカー連盟に嫌気がさしているからだ。

 しかし、今回のアフリカ選手権は地元開催である。実兄が連盟に勤務しており、血縁という最強のコネクションを利して、代表復帰を画策しているとの話もある。非公式だが、すでにリバプールにマティプの派遣を打診したとの情報も流れ始めた。

 ビルヒル・ファンダイクが靭帯断裂から復帰して存在感を示しているが、昨シーズンの大半を棒に振る重傷だっただけに休養は必要だ。イブラヒマ・コナテに使えるめどが立ち、ジョー・ゴメスはマティプに勝るとも劣らない名DFだが、彼らはともに負傷が多い。

 マティプはアフリカ選手権に出場するのか、またはカメルーン代表入りを拒否するのか。それは、リバプールの今シーズンを占う重大な決断になる。

 中盤はケイタが留守となっても、ファビーニョ、チアゴ、アレックス・オクスレイド・チェンバレン、ジョーダン・ヘンダーソン、ジェイムズ・ミルナーなどでローテーションできる。

【次ページ】 サラとマネーの離脱で、クロップも手の施しようがない?

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