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「俺が個人総合に出る」の橋本に「負けないぞ」の萱、口に出さずとも北園は…谷川航が語る“体操男子団体メンバーの素顔”
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byShinya Mano/JMPA
posted2021/12/10 11:02
東京五輪で銀メダルを獲得した体操男子団体チーム。左から萱和磨、谷川航、北園丈琉、橋本大輝
東京五輪で団体金メダルだったロシア(ROC=ロシアオリンピック委員会)は、谷川と同世代である主要メンバーのニキータ・ナゴルニーらが現役を続行中。銅メダルだった中国は、10月に北九州市で開催された世界選手権で男子個人総合を制した21歳の新エース、張博恒(ジャン・ボーヘン)がいるほか、17年世界選手権優勝の肖若騰(シャオ・ルーテン)も残留濃厚。パリ五輪はますますハイレベルな争いになるだろう。
その中で谷川はパリ五輪に向けて、「東京五輪を経験した僕らが悔しい思いをバネにして、今後どれだけ強くなれるかがカギを握っている。しっかりと使命感や覚悟を持っていかなければいけない」と語る。
「翔も燃えていますし、次こそはという思い」
パリ五輪に向けては、18、19年に全日本個人総合連覇を果たし、19年NHK杯も制している弟の翔(かける)との誓いもある。体操ファンには「谷川兄弟のファン」も多い。
「翔と2人で人に会うと大体、『今度は2人で(五輪代表に)入れたらいいよね』と言われますし、パリ五輪では何としてでも2人で金メダルを取れるように、という話をしています。翔も燃えていますし、次こそはという思いが強くなっています」
今年からセントラルスポーツ体操競技部に加わった弟の翔とともに出場する「全日本団体選手権」では、9月の「全日本シニア選手権」で苦杯をなめさせられたライバルの徳洲会に勝ち、19年大会に続く優勝を飾ることが目標だ。
谷川は、ゆか、つり輪、跳馬、平行棒の4種目に出る見込み。
「(6種目をやる)個人総合の演技以上の実施をして、ポイントゲッターになれるようにしたい。しっかり点数を稼いで、やっぱり必要だなと思われるようになりたいです」
東京五輪イヤーを最高の演技で締めくくることが、次の3年間へ向けての最高のスタートになるはずだ。
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