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「俺が個人総合に出る」の橋本に「負けないぞ」の萱、口に出さずとも北園は…谷川航が語る“体操男子団体メンバーの素顔”

posted2021/12/10 11:02

 
「俺が個人総合に出る」の橋本に「負けないぞ」の萱、口に出さずとも北園は…谷川航が語る“体操男子団体メンバーの素顔”<Number Web> photograph by Shinya Mano/JMPA

東京五輪で銀メダルを獲得した体操男子団体チーム。左から萱和磨、谷川航、北園丈琉、橋本大輝

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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Shinya Mano/JMPA

東京五輪の体操男子団体銀メダリスト、谷川航(セントラルスポーツ所属)。日本が目指す「美しい体操」にパワフルな魅力を加味し、体操ニッポンの華やかさを底上げした実力者は、今夏の戦いをどのように感じ取っていたのか。そして、パリ五輪にかける思いとは――。五輪イヤーの締めくくりとなる「全日本体操団体選手権(12月11、12日=東京・代々木第一体育館)」を前に、取材した。

 ◆◆◆

 まずは東京五輪について。代表メンバーが決まった6月上旬から7月24日の団体総合予選までの合宿期間中、チームはどのように結束していったのだろうか。

東京五輪団体メンバーの“結束が強まった”きっかけ

 合宿には、団体メンバー4人(橋本大輝、萱和磨、谷川航、北園丈琉)、種目別選手(内村航平とW杯ドーハ大会で追加される可能性があった亀山耕平ら)、補欠選手(杉野正尭、武田一志、三輪哲平)が参加した。

「僕らは前々からお互いのことを結構分かっていたので、最初から団結していたんじゃないかと思う」

 谷川はそのように切り出しながら、より結束が強まったきっかけについてこう振り返った。

「初回の合宿時にスタッフも含めて全員でミーティングをしたんです。団体の4人、補欠の3人、種目別の選手、スタッフという形のグループディスカッションでした。それぞれが、どういうオリンピックにしたいか目標を明確にして、皆で同じ目標に向かっていくべきだというミーティングでした」

 各グループで思いを言葉にした後、次は全体ミーティングに移った。

「何を目指すべきなのか、そのためには今何をやるべきか。それをはっきり確認しあったことでチームの団結力が生まれました。4人だけでなく補欠も含めて、全員でこういう目標でやろうという軸のようなものができたのが、強い結束につながったと思います」

 その中で谷川が挙げたのは、「目標は金メダルを獲ること」「そのために一番大事なのは怪我をしないでしっかり試合を迎えること」「練習の時にサポートし合うこと」「しっかり声を出し合うこと」。

 こうして、各グループの思いを総合したうえで決まったのが、1964年の東京オリンピックを超えるという意味の「Beyond 1964」というスローガンだった。

【次ページ】 予選で失敗→決勝で見せた“最高の演技”

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