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セレッソ大久保嘉人39歳が明かす“正式発表3日前…なぜ突然引退を決意したか?”「やっぱり、オレは普通の選手よりも批判されますから」
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byKatsuyuki Masuda(SIGNO)
posted2021/12/05 11:02
今季限りでの引退を決めた大久保嘉人(39歳)。Jリーグ200ゴールまであと9得点…なぜこのタイミングで引退を決断したのだろうか
「自分のなかでは来年もやるつもりでした。先月出した本のタイトルにも『職業、現役Jリーガー』とつけましたし。ただ、(11月16日の)練習後に車で帰宅しているときに急に『あっ、今年でやめよう』って思い立ったというか。それで、すぐに妻とマネージャーに連絡しました。妻は『本当にそれでいいの?』って感じでしたが、オレは何かを決めるときに人に相談するタイプではないですから。
正直、ここ数年は移籍を繰り返すなか、『もうダメだ』とか言われていたし、そのままやめたら悔しいじゃないですか。けど、ことしはリーグ戦で6点取って、天皇杯でも点を取った。ボールが来ればゴールを取れるんだ、というのを最後に示せたのは、大きかったですね」
実績と年齢を重ねた選手の場合、かつて可能だったプレーや動きができなくなったことを引退の理由に挙げることは多い。だが、39歳の大久保はそうしたことは一切なかったと強調する。
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「正直、まだやれるとは思います。どこも痛くないし、練習で何かができなくなったと感じたこともないですし。ただ、もうやり切りましたから」
「やっぱり、オレは普通の選手よりも批判されますからね」
11月22日の引退会見で、次のような印象的な話があった。
《プロになって20年間、苦しい思いの方が強くて、それを見せないようにしないといけないとずっと思っていたので、本当に細い糸がギリギリのところで繋がっている状態でした。》
ピッチでの闘志むき出しのプレー、チームメートやメディアに対する強気な発言もあった。やんちゃなイメージで知られた大久保だけに、そんな思いでキャリアを積んできていたことを意外に感じたファンも多かったのではないか。
「やっぱり、オレは普通の選手よりも批判されますからね。ピッチでは審判、対戦相手、味方選手にも言いたいことを言ってきて、プレッシャーも普通ではなかったと思うし。
フロンターレにいた4年半はいちばん得点を重ねられたし、自分が思っていたサッカーのイメージと合っていて、すごく楽しくやらせてもらいました。でも、それ以外のときはいろいろありましたから……中盤で起用されても、“得点を取る大久保嘉人”というイメージだけが先行して、点を取れないと叩かれたり。もちろん、そういうプレッシャーを跳ね返し、パワーに変えてきた部分もありましたけど、この20年、ずっと張り詰めたなかでやってきたのは間違いないです」
「泣くのはパラグアイ戦以来じゃないですか」
ピッチでの荒々しさとは対照的に、普段は気さくで、心優しい――。大久保に近い人たちからはそんなことを聞く。
たとえば、国見高時代の恩師・小嶺忠敏氏によれば、「やんちゃ」という言葉はまったく当てはまらないという。