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「トミ、アーセナルでの時間を楽しめ」 冨安健洋と“同い年の天才MF”のアツい友情《英国識者はコミュ力+アシストを絶賛》
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byStuart MacFarlane/Getty Images
posted2021/11/29 17:02
鮮やかなパスからプレミア初アシスト。冨安健洋は攻撃力という面でも日本サッカー屈指のDFになるポテンシャルを有している
前半のアディショナルタイムには、エミル・スミスロウへのクロスボールで好機を演出。31分にはタッチライン際から中央へドリブルでカットインし、左足で強烈なミドルシュートを打った。シュートは惜しくも枠を外れたが、冨安の積極的なトライにスタジアム全体から大きな拍手が起きた。
冨安のアクセントをつけた攻撃参加により、アーセナルの攻撃に躍動感が生まれた。
アシスト以外に「ワォ」と解説者が感嘆した場面とは
ハイライトは、やはり後半21分のアシストの場面だろう。
マルチネッリがタッチライン際から中央へダイアゴナルランを始めると、冨安は柔らかいクロスボールを供給。走り込む20歳ブラジル人FWの足元にピタリと合わせた。試合後ミケル・アルテタ監督は「ガブ(マリティネッリ)の走りが良かったし、トミ(冨安)のクロスも素晴らしかった」と、2人のコンビプレーを称賛していた。
守備もパーフェクトな出来だった。
テレビ解説のマクマナマンが「ワォ」と思わず感嘆の声を上げたのは、前半終了間際にあったピンチの場面。ペナルティエリア付近でスルーパスを出されると、冨安は体を滑らせながらボールをブロックした。ピンチを未然に防いだ守備に、元イングランド代表MFは「素晴らしい。冨安の非常に良いプレーだ」と語気を強めていた。
その他でも、プレミアリーグ屈指のドリブラーであるサン・マクシマンを封印した。体をガツンとぶつけてマイボールにすれば(前半18分)、ドリブルに食らいつきクロスボールを滑り込みながらブロックした(前半26分)。
日本代表DFが、サン・マクシマンにやられた場面は皆無。冨安のいるエリアからは突破できないと判断したのか、ニューカッスルは後半途中からフランス人アタッカーのポジションを逆サイドに変えたほどだ。
冨安の底知れぬポテンシャルを大いに感じさせた一戦となった。
地元紙記者が語る「これまでの日本人と冨安」
そんな日本代表DFについて、地元紙ロンドン・イブニング・スタンダードでアーセナル番を務めるサイモン・コリングス記者に話を聞いた。同記者は言う。