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クサらない南野拓実に「タキは模範的」「夢のような選手」 CLで悔しい不発もリバプール主将とクロップがフォローする理由

posted2021/11/27 17:03

 
クサらない南野拓実に「タキは模範的」「夢のような選手」 CLで悔しい不発もリバプール主将とクロップがフォローする理由<Number Web> photograph by Matthew Ashton/Getty Images

3トップの全ポジション、インサイドハーフをこなせる南野拓実の価値は高い。だからこそ名門リバプールで結果が欲しいと本人は考えているはずだ

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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 南野拓実としては不完全燃焼な試合だったに違いない。

 24日に行われた欧州CLグループリーグ第5節のポルト戦。2-0でリバプールの勝利で終わると、南野は両手を腰に当てたままピッチに立ち尽くしていた。チームが勝利しながらも、日本代表FWに笑顔はなく、しばらくすると下を向いてしまった。

 ユルゲン・クロップ監督や主将のジョーダン・ヘンダーソン、アンドリュー・ロバートソンが熱狂的なサポーターのいるKOPスタンドに笑みを浮かべて手を振っていたが、南野は硬い表情のまま選手通路口に消えていった。

 欧州最高の舞台であるCLで今季初の先発出場を果たし、試合終了まで走り抜いたが、ゴールやアシストの結果を残すことはできなかった。ゴールを挙げることが最大のアピールになる──。そう位置づけていたからこそ、納得のいかない様子でピッチを後にしたのだろう。筆者の目には、見るからに悔しそうだった。

3トップのセンターフォワードとして

 試合は、リバプールのペースで進んだ。序盤こそポルトの攻撃に手を焼く場面があったが、次第に試合をコントロールする。後半の開始早々にチアゴ・アルカンタラがハーフボレーのスーパーゴールを決めると、モハメド・サラーが追加点を奪って2-0とした。試合はこのまま終了。試合前の時点で1位突破を決めていたリバプールが、グループリーグ5連勝を飾った。

 この試合で、南野は4-3-3のCFとしてスタートした。両翼にはサラー、サディオ・マネのレギュラー組が入ったが、4日前に行われたアーセナル戦の先発メンバーからビルヒル・ファンダイクやトレント・アレクサンダー・アーノルドといったレギュラーの4選手が外れた。代わりに、南野や19歳MFタイラー・モートンらの控え選手が入り、メンバーを少し落とした編成でこの一戦に臨んだ。

精力的なプレー、チャンスでゴールを揺らしたが

 南野は立ち上がりから守備やプレスを精力的にこなしながら、敵の最終ライン付近を動き回った。チャンスと見れば相手DFの裏にあるスペースに飛び出し、味方からラストパスを呼び込んだ。19分には縦パスから左サイドを良いタイミングで突破したが、南野のクロスボールはブロックされた。41分にも右サイドのクロスに頭で合わせたが、今度はオフサイドを取られた。

 最大のチャンスは後半18分に訪れた。

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