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クサらない南野拓実に「タキは模範的」「夢のような選手」 CLで悔しい不発もリバプール主将とクロップがフォローする理由
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byMatthew Ashton/Getty Images
posted2021/11/27 17:03
3トップの全ポジション、インサイドハーフをこなせる南野拓実の価値は高い。だからこそ名門リバプールで結果が欲しいと本人は考えているはずだ
「選手というのは、常に出番を想定して準備を整える必要がある。先発が発表になるまでスタメンに入るかは分からない。控えでも、出番があるかはその時にならないと分からない。
だから、試合に向けて適切な準備と、普段からの練習姿勢が本当に大事になる。この点でタキ・ミナミノは模範的な存在だ。アーセナル戦でタキが投入された時(※3-0でリバプールがリード)、すでに勝負は決まっていたと多くの人が思っていたが、ウォームアップからクールダウンまで彼は常に真剣に取り組んでいた。まさにトップクラスだ。だから彼は投入後、すぐに活躍できた。
ゴールに相応しいだけでなく、自ら掴んだ。そして、彼が示しているメンタリティも素晴らしいの一言だ。先発であろうと、ベンチから途中交代で出場しようと、彼の姿勢は我々が常に求めている模範的なものだ」
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興味深いのは、クロップ監督もプログラムの手記でまったく同じことを述べている点だ。ドイツ人指揮官は語る。
「寛容な心を持つタキは愛すべき人物だが、アーセナル戦のゴールを皆で喜んだ理由はそれだけではない。タキは日々の練習で常にベストを尽くしている。こうした姿勢とチームへの貢献を知っているからこそ、誰もがゴールを喜んだ。監督にとって、彼は夢のような選手だ」
過密日程の中で不可欠な南野。決して腐らずに
現状、南野の立ち位置は「控えメンバー」である。今季の国内リーグ戦では先発が一度もなく、欧州CLでも消化試合となったポルト戦で初めてスタメンに入った。主戦場はチームとして優先順位の落ちるカップ戦である。だが過密日程を戦うリバプールのような強豪クラブには、南野のようなスカッドメンバーが不可欠だ。
それでも南野は腐ることなく、黙々と練習に励んでいる。出番がなくてもウォームアップからクールダウンまで、ひとつひとつのセッションを丁寧にこなしている。こうした姿勢を、クロップ監督とチームメートたちはしっかりと見ている。
もちろん、本人としては現状に安住しているわけではない。出番の少ない状況に「まったく満足していない」と以前語っていたように、序列をひとつでも引き上げて出場機会を増やす──。そう野心を抱いているからこそ、自身が無得点だったポルト戦の勝利に騒ぐことなく、静かにピッチを後にしたのだろう。試合後の悔しげな様子に、南野の思いが伝わってきた。
消化試合となるグループリーグ最終節のACミラン戦(12月7日)でも、先発のチャンスがまわってくる可能性は高い。ここで特大のインパクトを残せるか。
世界屈指の強豪リバプールで、南野の戦いは続く。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。