佐々木麟太郎ら「2005年世代」高1左スラッガー“3人衆”に驚かされた…村上宗隆、清宮幸太郎、安田尚憲「2017ドラフト組」を思い出す

　昨年は見送りになった「明治神宮大会」が、この秋、神宮球場に戻ってきた。

　それでも、まだいろいろ用心しなきゃならないから、チケットはネット販売が中心で、限られた数の当日売りを求めて、球場まわりにものすごい列ができていた。

「高校の部」、「大学の部」、ともに各地区を勝ち抜いた優勝校が集まるこの大会は、つまり現時点でのトップランクのチームが1つの球場ですべて見られるというのだから、遠くからやって来る人も多く、人気が高い。

　今年はオリンピックがあって、いつもの「夏」に開催できなかった「都市対抗野球」がこの後に控えているが、例年なら、この明治神宮大会でアマチュア野球のシーズンが幕を閉じるわけで、それをなごり惜しむファンも、神宮球場にたくさん詰めかける。

【1】「これ以上ない自己紹介」佐々木麟太郎（花巻東）

　その初日、第1試合の第1打席のファーストスイングで、弾丸ライナーのライト先制ホームランを放った花巻東高・佐々木麟太郎（1年・183cm117kg・右投左打）。

　この夏の岩手県大会を見ているのでスラッガーとしての天性は感じていたし、評判が高いのはわかっていたが、誰もが彼を見に来ているような状況の中、最初のひと振りでこれ以上ないほどの「自己紹介」ができることに、思わず唸ってしまった。

佐々木麟太郎（1年・183cm117kg・右投左打）、2005年4月生まれ。第1打席のファーストスイングでホームランの「自己紹介」　©Yuki Suenaga

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　これで、高校通算48ホーマーという。入学して、まだ半年ほどなのに……という超ハイペースなら、単純計算で200本ぐらい打ちそうな勢いだが、相手も警戒して勝負を避けてくるだろうから、そこで焦って、ボールを追いかけまわして、バッティングを崩さなければよいが……。しかし、この日1試合の打ちっぷりを見ると、そんなに心配しなくても、よさそうに思う。

　打者の「野球的精神年齢」を推し測るポイントの1つとして、「ホームランの次の打席の打ちっぷり」という視点があるように思う。

　高揚した思いに振り回されて、バットのほうも「エイ、ヤー！」と振り回していないか。特に、引っ張ったホームランの後は、そこに注目している。

　國學院久我山外野陣は、極端に右寄りのポジショニング。センターの選手が右中間ど真ん中、レフトが左中間のセンター寄りに位置する。

　打者の気持ちが煽られるような「挑戦的」なシフトを敷かれ、この1年生スラッガーのバッティングに揺らぎはあるのか。

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