熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
森保ジャパン11人の市場価値85億円、ブラジルは548億円 CL出場日本人は南野拓実だけ…強豪国との比較で浮かぶ《個の能力差》
posted2021/11/14 17:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
ブラジル代表やアルゼンチン代表の試合を見ていて、ため息が出ることがある。
メッシ、ネイマールらピッチに立っている選手のプレーはもちろんすごいのだが、ベンチに座っている選手の顔ぶれが豪華絢爛なのだ。
最強級GKアリソンが控え、好調ビニシウスも
たとえば、10月15日に行なわれた2022年W杯南米予選のウルグアイ戦で、ブラジルはネイマール(PSG)、今、売り出し中のラフィーニャ(リーズ)らが躍動して4-1で宿敵を粉砕した。
この試合ではGKエデルソン(マンチェスター・シティ)が先発したので「世界最高のGK」とも言われるアリソン(リバプール)はベンチに座ったまま。今季、レアル・マドリーで絶好調のビニシウスも先発を外れ、途中出場すらしなかった。
また、この試合ではボランチのカゼミーロ(レアル・マドリー)が故障のため欠場したのでファビーニョ(リバプール)が先発して見事なプレーを見せたが、11月11日のコロンビア戦では故障が癒えたカゼミーロが先発に復帰し、ファビーニョは控えに逆戻り。終盤、守備固めで数分間出場しただけだった。
GKと同様、この2人もこのポジションで世界トップレベルの名手だが、代表ではどちらかベンチに座らざるをえない。
アルゼンチンもディバラが招集外になるほど
一方、アルゼンチンは同じ日にペルーと対戦し、1-0で勝利。メッシ、ディマリア(いずれもPSG)らが先発したが、ホアキン・コレア(インテル)、アンヘル・コレア(アトレティコ・マドリー)らはベンチ。ホアキンは途中出場したが、アンヘルは出番がなかった。パウロ・ディバラ(ユベントス)に至っては、招集外だった。
ブラジルもアルゼンチンも、ほぼすべてのポジションに世界のトップ選手が何人もいる。W杯でベスト8以上を狙えるチームが、3つ、4つ作れそうだ。
中堅国以下の代表ならエースが務まるであろう名手が、ピッチに立てなかったり招集すらされなかったり。「いらないんだったら、貸してくれよ」と言いたくなる。
Jリーグが創設された1993年、日本人で海外でプレーする選手は1人もいなかった。あれから28年。今では、欧州でプレーする日本人選手は数十人にのぼる。