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大阪桐蔭→早大バッテリーが《DeNAドラフト2位と指名漏れ》の明暗… 楽天ドラ6右腕とともに「最後の早慶戦」で有終の美を
text by
清水岳志Takeshi Shimizu
photograph byWaseda Sports
posted2021/10/29 11:05
ドラフト指名を受けた徳山壮磨と西垣雅矢。大学生活の集大成を見せられるか
「基本的な筋肉量が少なかったし、増えた分、球威に乗っかってくれれば」
1日に3個のハンバーガーを食べて
それと、たんぱく質を多く摂って、体重も増やしたそうだ。何を食べたかというと――1日に3個のハンバーガーだったという。
「フライドポテトやアイスシェイクは糖質が多いですが、ハンバーガーはたんぱく質なので、害はない」
本人はわりとあっけらかんと言うのだ。小宮山監督が2人の性格を笑いながら、解説する。
「徳山は神宮のマウンドが硬くて、合わなかったのが、トラウマになっているようだった。繊細で石橋を渡る時、叩いて叩いて、挙句、お前が行ってくれと。誰かが大丈夫と言わないと行かないタイプ。
一方の西垣は何も考えずに、ずかずかと行っちゃうタイプ。どっかでピリピリした感じが欲しいなと。大胆過ぎるので、もっと敏感になってくれと。鈍感力はすごい」
徳山は周囲の部員から「徳さん、そんなにストイックで、練習のしすぎなんじゃないの」と言われ、西垣は「ハンバーガーの食べすぎ」を指摘されるという、言い得て妙な小宮山監督の性格分析だが、それも持ち味となって、プロでは自分の強みになっていきそうだ。
小宮山監督がシーズン前に語っていたこと
ただ、2人の指名は、本当にあるかないか、微妙だったのではないか。そこでプロのスカウトに決断させたのは小宮山監督の“ひと添え”もあったからだと思う。シーズン開幕直前、こんなことを言っていた。
「2人とも、オープン戦はいい内容だった。徳山は本来のボールの力が戻ってきた。春のようなことはないでしょう。
西垣もプロと比べてもそん色ないレベルになったという評価をしてます。コントロールもよくなってボールを操れるようになった。今、人生で一番いいんじゃないの。何の問題もないシーズンになると思いますよ。大学の中ではトップ級の2人。ここにきてスカウトもいい評価をしてくれている。プロに送り出せる」
当の本人たちはどう考えていたのか。徳山は「いままでで一番いい、準備ができた」と前向きな自信にあふれていて、西垣は「オープン戦の内容は良かったけど、本番じゃないので安心はしていない」と慎重だった。監督の性格分析とは逆の発言だったのが、興味深かった。結局ドラフトで指名されて、誰もが安堵したことだろう。