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《番記者が分析》「久保建英が18歳時に放った輝きと同様に…」マジョルカで最も議論されている“韓国の至宝”との共存策は?
text by
カルロス・ロマン/ウルティマ・オラCarlos Román/Ultima Hora
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/10/17 17:00
2度目のマジョルカとなった久保建英の今シーズン、番記者はどのような目で彼を見ているのだろうか
1月にはヘタフェへと移ったが、そこでも必要としていたプレー時間は得られず、飛躍が期待された1年を通して久保の進化は停滞することになった。
サポーターは成熟したタケの復帰を心から歓迎した
そして今夏。東京五輪後に久保の復帰が報じられはじめると、島の人々は再び心を躍らせた。彼らは2年前から久保のことを自分たちの仲間だと感じていたからだ。特別な愛情を抱いていたサポーターたちは、彼の復帰を心から歓迎した。互いに慣れ親しんだ選手が、より成熟した姿で帰ってきたのだから。
ルイス・ガルシアは加入直後から久保を重用し、スタンドのファンは彼のプレーに期待を膨らませた。ベルナベウで不運な怪我を負うまで、久保は5戦連続で先発に名を連ね、ラスト数メートルの攻撃にプラスアルファをもたらしていた。
マジョルカで最も議論されている2人の共存
その間、マジョルカで最も議論されていたのは久保とイ・カンインの共存についてだ。
共に2001年生まれの久保とガンインは、若くしてスペインにやってきた。
2013年にアレビン(12歳以下)の大会で撮影された1枚の写真には、バルセロナとバレンシアのユニフォームを着た2人が握手する姿が収められている。
あれから8年。運命の導きにより、彼らは同じシャツを着て戦うことになった。
懸念されているのは2人がプレースタイルのよく似た選手で、プレーエリアが重なることだ。ルイス・ガルシアは2人の併用は可能と考えているようだが、今のところ同時にピッチに立った時間はわずかしかない。
初めて揃って先発したのはレアル・マドリー戦で、2人の共演が見られたのは久保が負傷交代するハーフタイムまで。それも防戦一方の展開を強いられる中で終わっている。
これまでの起用法を見る限り、ルイス・ガルシアは4-2-3-1の右MFが久保のベストポジションだと考えているように思える。右MFはカンインもプレー可能なポジションであり、指揮官は2人が2列目の3ポジションを流動的に入れ替えながらプレーする青写真を描いているのだろう。
2人にはそれができるだけのタレントと打開力があるだけに、個々がエゴにとらわれず、お互いを生かし合う関係を築くことができれば、面白いホットラインとなるはずだ。
負傷離脱後はイ・カンインが久保の役割を
久保の離脱後、カンインは2シーズン前に久保が務めた役割を担いはじめた。オサスナ戦では敗れたものの好印象を残し、5戦ぶりの勝利を手にしたレバンテ戦でもチームの攻撃を牽引すべく奮闘し、ファンの喝采を受けていた。