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巨人またも“くじ外れ”→繰り上げ1位は社会人左腕、楽天1位指名は“東北の星”…ドラフト全指名予想【巨人・楽天・阪神編】
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKYODO
posted2021/10/10 11:03
ドラフト目玉候補の風間球打投手(明桜高・183cm81kg)
投手もそうだが、向き合う「捕手」にも数年後のレギュラーマスクの気配漂う若手が見えない。
2位・松川虎生(市立和歌山高)は、今季高校球界No.1のバットマンと見るが、捕手としての力量も、じゃあ他に誰がいるんだ…というレベルだ。
小松大谷高・東出直也、京都国際高・中川勇斗、東明館高・加藤晴空……そのディフェンス能力にすごくよい香りを放つ捕手たちがいるが、松川虎生もひけをとらない。むしろ「貫禄」では一枚上だ。
見るからに馬力あふれる体躯から、簡単に150キロ前後を投げるように見える4位・竹山日向(享栄高)は、全身のバネが抜群。間違いなく50m6秒そこそこの俊足と、バッティングだってキラリと光る。
5位・石森大誠(火の国サラマンダーズ)の“来季”がとても興味深い。熊本の独立リーグで、今季155キロを投げた左腕だから、1位・山田龍誠と同じくらい「業界」を騒然とさせた。この石森も5秒台の快足と、東北公益文化大当時は、強打の外野手としてもプロから注目された天才肌だ。四球の数が今の半分になるような「変化」を遂げられれば……。本人も、球団も、ここは勝負がかかる。
シルエットや雰囲気がちょっと似ているだけで、6位・梶原昂希(神奈川大)を「柳田悠岐二世」などと称しては、ギータから笑われる。
本人の肩を重くするだけだ。むしろ、快足・強打のリードオフマン。センターとしての守備ワークのスピード、カンの鋭さと球際のしぶとさは、私には将来の「ゴールデングラブ候補」に見える。バッティングでポイントになるのは、投球を長く見ようとする勇気。「詰まるのはOK」の意識が芽生えれば、タテの変化にも徐々に合ってくるはずだ。
楽天が「東北の星」を1位指名
〔楽天 2021年ひとりドラフト指名選手〕
1位 風間球打 17歳 投手 秋田・明桜高 183cm81kg 右投左打
2位 水野達稀 21歳 遊撃手 JR四国 171cm74kg 右投左打
3位 吉野創士 17歳 外野手 埼玉・昌平高 185cm80kg 右投右打
4位 徳山壮磨 22歳 投手 早稲田大 183cm82kg 右投右打
5位 福島蓮 18歳 投手 八戸西高 190cm78kg 右投右打
6位 飯田琉斗 22歳 投手 横浜商科大 188cm93kg 右投右打
〔楽天 総評〕
大船渡高・佐々木朗希が千葉ロッテに進んで、まだ2年しか経っていないというのに、またしても東北高校球界から「大器」が現れた。