オリックス1位は2年連続で“剛腕”高校生、ヤクルト1位は抽選覚悟の“即戦力”左投手…ドラフト全指名予想【オリ・ヤクルト・ロッテ編】

オリックス1位指名は今年も“剛腕”高校生

〔オリックス　2021年ひとりドラフト指名選手〕

1位　小園健太　18歳　投手　市立和歌山高　184cm89kg　右投右打
2位　黒原拓未　21歳　投手　関西学院大　173cm75kg  左投左打
3位　山本大揮　18歳　投手　九州国際大付高　184cm86kg　右投右打
4位　代木大和　18歳　投手　明徳義塾高　185cm83kg  左投左打
5位　久保田拓真　22歳　捕手　関西大　182cm92kg  右投右打
6位　野口智哉　22歳　遊撃手　関西大　181cm83kg  右投左打

〔オリックス　総評〕

　今年のオリックス…というよりも、中嶋聡監督の戦いぶりを見ていると、「小さな革命」のようなものが感じられる。

　2年目で左腕エースにのし上がった宮城大弥の大奮投に、宗佑磨、杉本裕太郎、紅林弘太郎、太田椋、宜保翔の大奮戦。  

　一軍選手とは何か。二軍選手とは何か。一軍と二軍の違い、境とは何か。二軍監督として、彼らの「実力」をさんざん実感してきた中嶋監督だからこその大胆な抜擢と、辛抱強い起用なのだろう。ペナントレースの新しい戦い方を見せてもらっている。

　広島、ソフトバンク、巨人との「4分の1」の確率をクリアして、1位・小園健太（市立和歌山高）を獲得したオリックス。ペナントレースの勢いがそのまま乗り移ったような会心の結果。昨年の1位・山下舜平大（福岡大大濠高）と2年連続の剛腕獲得だ。（※10月9日にソフトバンクは風間球打［明桜高］の1位指名を明言）

　宮城大弥を2年目で「パ・リーグNo.1左腕」に仕立て上げた中嶋監督だ。使える！と踏んだら、1年目からでも小園健太を使ってこよう。それぐらい見込まれても、全然おかしくないぐらいの「総合力」をすでに備えた完成形に近い剛腕と見ている。

　宮城、田嶋大樹、山崎福也…そのあとの先発型左腕が欲しいチーム事情の中で、黒原拓未（関西大）を2位で指名できたのは大きかった。

　故障気味を心配する声もあるが、小柄でも投げるエンジンの大きさはヤクルト1位の隅田知一郎（西日本工業大）以上。つまり、コンスタントに150キロ前後をマークできる資質ありと見る。肩・ヒジのケアを続けながら、真価は「2年目」からだ。

【次ページ】　オリックスは4位までピッチャーで