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風間八宏の衝撃、1年間の無職も味わったメキシコ生活…“銅メダル”西村亮太コーチが語る東京で流した涙とロサーノ監督との出会い
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKaneko Takuya/JMPA
posted2021/10/06 11:01
メキシコ代表の銅メダルに貢献した西村亮太さん。持ち前のアピール力と確かな観察眼でロサーノ監督の信頼を勝ち取ってきた
それから2年半、東京五輪での銅メダル獲得という結果をもって、ロサーノと西村のプロジェクトはいったん完結した。
大会後にメキシコに戻った西村は、次のプロジェクトに向けて英気を養っているところだ。
「どうなるかはわからないですけど、成長できる環境には身を置き続けたいと思っています。もちろん、ヨーロッパのサッカーを肌で感じたい気持ちもあります。日本ですか? まだ今すぐにオファーしてもらえるような身分ではないので(笑)。今はコーチですけど、いずれは監督として勝負したいですね」
ロサーノから「次も一緒に来てほしい」と言われており、もうしばらくタッグは続きそうだ。
原点である筑波大大学院でその優秀さに打ちのめされた同期の存在は、今なお西村に刺激を与えてくれている。
「中下(征樹)と片桐(央視)は日本代表のテクニカルスタッフで、岡崎(篤)はスペインで指導者として活躍しています。大島(琢)はFC東京のコーチ、見汐(翔太)はJFAアカデミー女子の監督、中村(亮太)は名古屋のアカデミーで、桑原(鉄平)は筑波大でサッカーを教えている。彼らとはちょこちょこ連絡を取り合っているし、いつも刺激をもらっています」
西村も異国の地で、日本人指導者の可能性を広げている。
果たして西村の次なる活躍の場は、どこだろうか。ヨーロッパでの指導を経て、いつか日本サッカー界で指揮を執る日が来ることを楽しみに待ちたい。
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