巨人・坂本勇人を思い出す188cm社会人ショートとは？ 慶応大のスラッガーも…2021年ドラフト目玉候補《内野手ベスト3》は？

「内野」の4ポジションで、どの球団も欲しがるのは、やはり「遊撃手」であろう。

「どんなショートが欲しい……ですか？　はい、○の中に『遊』の字の入ったハンコをおでこに押されて生まれてきたようなショート、探してます」

　あるスカウトの方が発した「名言」である。

　強肩、俊足、瞬発力、状況の判断、ボディバランスに柔軟性に体の強さ……野球に必要なすべての能力を兼ね備えていなければ、プロのショートストップとして活躍することはできない。

　昔も今も、守備力が優先するポジションだろうが、バッティングの水準が上がった今、「打てるショート」でないと……が各球団の本音になる。

内野手編（１）JR四国・水野達稀遊撃手（170cm71kg・右投左打）

　そしておでこに「丸遊マーク」を付けた打てるショートストップが、社会人球界で頭角を現してきている。

　JR四国・水野達稀遊撃手（170cm71kg・右投左打・丸亀城西高）、社会人3年目、まだ21歳のショートだ。

　そんな新鋭が、実戦になるとベテラン顔負けのプレーで驚かせてくれる。

ドラフト目玉ベスト3 内野手編（1）JR四国・水野達稀遊撃手（170cm71kg・右投左打）　©KYODO

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　初動から打球処理、スローイングのフィニッシュまで……終始、頭が動かずに安定した連続動作を続けられるフィールディング。併殺時や二塁牽制でとっさに動いても、先を見越していたような正確さでプレーをこなす。三遊間からのスローイングも、力んで頭が突っ込まないから、ブレが少ない。

　とんでもないスーパープレーはしないかもしれないが、バッテリーが「打ち取った」と思った打球はまずアウトにできる……そんな任せて安心なショートが「21歳」なのだから、まず驚く。

　見るたびにもっと驚かされるのが、水野のバッティングで、1年目、19歳の都市対抗の大舞台でジャパンクラスの快腕から、東京ドーム右中間にライナー性で放り込んだから、まず驚いた。

　2年目の都市対抗では、見るからに打ちにくそうなベテランのサイドハンド左腕から、今度はジャストミートの痛烈センター前と左中間適時打で、「前年」がビギナーズラックではないことを証明。

　そして、今年7月の日本選手権では、プロ注目の150キロ右腕から2球目をライト方向サヨナラホームランなのだから、これ以上のショートを探せ……と言われたって、そのほうがムリな注文だ。

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