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「俺らにはトミヤスがついている♪」たった2戦で《冨安健洋アーセナル専用応援歌》爆誕… 監督・同僚・サポーターの期待と信頼が超デカい
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byStu Forster/Getty Images
posted2021/09/20 17:02
アーセナルでデビュー後2連勝。アルテタ監督のサムアップポーズが冨安健洋の評価を象徴している
79回のボールタッチはチーム最多。バーンリーがスペースを打ち消してきたことから、攻撃参加の機会は限定的だったが、前半28分にはタッチライン際を駆け上がる左SBキーラン・ティアニーに40メートルのサイドチェンジで攻撃を活性化した。敵にプレッシャーをかけられても軽やかなステップでいなすなど、攻守両方で大きな存在感を示した。
「We've got Tomiyasu」のチャントが鳴り響く
そんな冨安を支えたのが、北ロンドンから列車や車で応援に駆けつけた約2000人のサポーターである。ゴール裏に陣取ると、英国で60年代に活躍したデイブ・クラーク・ファイブのヒット曲『グラッド・オール・オーバー』にあわせ、冨安を称えるチャント(応援歌)を歌ったのだ。
この曲はクリスタルパレスの応援歌としても親しまれ、マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督のチャントでも使われるなど、英サッカー界で人気チューンのひとつ。軽快なメロディーに乗せ、「We've got Tomiyasu(俺らにはトミヤスがついている)」の大声援が敵地ターフ・ムーアにこだました。
チャントが鳴り響いたのは前半だけで少なくとも3回。いずれも冨安が守備で奮闘した直後だった。移籍後2試合目でチャントが作られ、そして実際に歌われたのは、サポーターが冨安に大きな期待と信頼を寄せている何よりの証拠だろう。
「冨安の補強は今季のターニングポイント」
実際、英紙デーリー・エクスプレスが「冨安の補強はアーセナルにとって今季のターニングポイント」と高く評価したように、冨安の加入からチームは2連勝。いずれもクリーンシートだ。
67年ぶりとなるリーグ開幕3連敗を喫した際には絶望的な雰囲気に包まれていたが、バーンリー戦の勝利後にはGKアーロン・ラムズデイルとDFティアニーがアーセナルサポーターのスタンドにユニホームを投げ入れるなど、チーム全体が高揚感を取り戻しつつあるのも朗報だ。