球体とリズムBACK NUMBER
総資産1兆円超のアブラモビッチと王者チェルシー、「約350億円軍団」のマンU、メッシら根こそぎ獲得PSG… CLは“新自由主義の頂上バトル”
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2021/09/14 17:00
メッシやセルヒオ・ラモスらを根こそぎ獲得したPSG。念願のCL制覇なるか
マンUの選手への総支給額はなんと約350億円
米『スポータック』によると、選手への総支給額は約2億3000万ポンド(約350億円)に上り、プレミアリーグにおいて2位のチェルシーにさえ約7000万ポンド(約106億円)もの差をつけるダントツの1位。これだけ豪華なスクアッドを用意してもらったオーレ・グンナー・スールシャール監督には、メジャータイトルの獲得が至上命題となる。
キャピタリズムのモダンフットボール、ここに極まる──。
実態が掴めない数字の羅列にも、もはや驚きはなくなった。新自由主義、地球規模のブランディングとマーケティング、そしてスポーツウォッシングを背景にした移籍市場という名のエンターテイメント。好むと好まざるとにかかわらず、これが私たちの愛するスポーツのトップレベルの現在だ。
個人的には、攻撃的に舵を切ったアトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督が、CL決勝で3度目の正直を果たしてくれたら面白いと思う。日本時間9月14日(火)深夜、今年も欧州の頂への争いが始まる。