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“相性最高”だった水谷の引退で伊藤美誠は誰と組む? 混合ダブルスが「ただ強い者同士」のペアでは成功しない理由〈パリ五輪卓球〉
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2021/09/06 11:02
左から水谷隼、伊藤美誠、張本智和
混合ダブルスでは、2人の「相性」が重要
その上で、混合ダブルスについて言えるのはシングルスで強い選手同士が組んだからといって、必ずしも好成績を上げられるわけではないことだ。水谷と伊藤の強さは、年齢は離れていても早くから知り合いで意思疎通の良さがあり、そして伊藤の積極性や攻撃性といった持ち味を受け止めてプレーできる水谷の懐の深さにあった。性格的なものも含め、しばしば選手が「相性」について触れるのも、混合ダブルスで成績を残せるかどうかが個々の技量のみによるわけではないことを物語っている。
「五輪代表の3人の中から」という縛りはあるにせよ、その中でどのようなペアが生まれるのか。
今年11月にはアメリカ・ヒューストンで世界選手権が行なわれる。8月30日から9月2日にかけて実施された代表選考会で男子3名、女子2名が代表に決定した。男子は宇田幸矢、森薗政崇、戸上隼輔、女子は早田ひな、芝田沙季だ。すでに代表入りが確定していた五輪代表選手も含め、男女各5名が代表となるが、混合ダブルスも2ペアが出場する。混合ダブルスについてはシングルスの代表以外から選ばれる可能性もあるが、どのようなペアがエントリーすることになるだろうか。
パリ五輪に向けても、楽しみなところだ。
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