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「みんな同じ選手です」オリンピック、パラリンピック両方に連続出場、ナタリア・パルティカの挑戦は続く《過去には石川佳純に勝利》
posted2021/09/06 06:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
東京五輪に続き、8月24日に開幕した東京パラリンピックも5日に幕を閉じた。実はその2つの大会どちらにも出場した選手がいる。卓球のナタリア・パルティカ(ポーランド)だ。
オリンピックではシングルスと団体戦に出場。シングルスでは初戦に勝利したあとの2回戦で敗退し、団体戦は対韓国との1回戦で第1試合のダブルスに出場、2-3と惜敗しチームも敗れた。
その後、いったん帰国した後、再来日しパラリンピックに出場した。
現在32歳のパルティカは、パラリンピックにおいてはこれまで圧倒的な成績を誇ってきた。2004年のアテネを皮切りに2016年のリオまで4連覇を達成している。シングルスで最後に敗れたのは2006年だという。
東京では5連覇がかかっていたが、準決勝で敗れ、銅メダル獲得にとどまった。
「リードしていたけれど簡単なミスをしてナーバスになりました。でも相手がいいプレーをしたと思います」
試合後、こう振り返った。オリンピックの団体戦後、「パラリンピックは期待されるのでプレッシャーが大きい」と語っていたように、優勝して当たり前と目される存在だからこそ、重圧もあっただろう。
それでも彼女の栄光が褪せることはない。2つの大会に出場した事実が、パルティカをパルティカたらしめている。
パラは2000年から、五輪は2008年から連続出場
パルティカがオリンピックとパラリンピックの両方に出場したのは東京が初めてではない。長年にわたり、双方において第一線に立ち続けてきた。
パルティカは、右腕が肘までしかない状態で生まれた。
7歳のときに卓球を始めると、すぐさま好成績をあげるようになった。初めてパラリンピックに出場したのは11歳だった2000年のシドニーパラリンピック。史上最年少であった。
2004年のアテネ大会で圧倒的な強さを見せたパルティカは、2008年の北京ではオリンピックにも出場した。卓球史上初めて、五輪とパラリンピックの両大会出場を果たしたのだ。その後も、東京五輪まで両大会への出場を続けてきた。