オリンピックへの道BACK NUMBER
敗れた張本美和が証言「別人のように強かった…」オリンピアンを次々撃破、女子卓球“20歳の新星”大藤沙月はなぜ躍進? 平野美宇、伊藤美誠にも勝利
posted2024/11/03 17:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
大きな成果を成し遂げた。
10月22日から27日にかけて行われた卓球のWTTチャンピオンズモンペリエ(フランス)で大藤沙月が優勝した。
チャンピオンズは世界ランキング上位30名+2名が出場できる大会で、大藤は初出場。初戦で快勝すると、2回戦で平野美宇、準々決勝で伊藤美誠、準決勝で鄭怡静(大会時点で世界ランキング10位)を次々と撃破。決勝では張本美和と対戦し4-2で勝利した。オリンピックや世界選手権で活躍してきた日本の選手たち3人を破り、初優勝を遂げたのである。
「ほんとうに信じられないです」
試合後にコメントした大藤は、こうも語っている。
「何よりもまず、WTTチャンピオンズに出場できることがうれしかったです。最低でも1勝、そしてもう1勝、さらにもう1勝したいと思いながらここに来ました」
世界ランキングは“日本勢4番手”
この大会のみ、たまたまの活躍、というわけではないのは今年になってからの成績が物語っている。
今年4月、WTTの下位カテゴリーの大会であるフィーダーバラジュディン、フィーダーデュッセルドルフでともに優勝を飾ると、6月のコンテンダーチュニスでは張本に敗れたものの準優勝。8月のコンテンダーリマ、9月のフィーダーパナギュリシテで優勝と着実に実績を積み上げてきた。
シングルスに限らず横井咲桜とのダブルスでも活躍。6月のコンテンダーザグレブでは準々決勝でパリ五輪代表の平野・張本に勝利するなどして優勝。そしてアジア選手権では金メダルを獲得した。
今年4月9日付けでは125位だった世界ランキングは、10月29日付けでシングルスにおいては早田ひな、張本、伊藤に次ぐ日本勢4番手となる11位にまで上がり、女子ダブルスでは日本勢トップの5位につけている。