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“相性最高”だった水谷の引退で伊藤美誠は誰と組む? 混合ダブルスが「ただ強い者同士」のペアでは成功しない理由〈パリ五輪卓球〉
posted2021/09/06 11:02
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
東京五輪で水谷隼と伊藤美誠が金メダルを獲得した卓球の混合ダブルス。
ただ、水谷は競技から退く意向を示しており、必然的に、抜群のコンビネーションを見せた2人のペアが次のオリンピックで見られることもなくなった。3年後のパリ五輪では新たなペアが出場することになる。水谷と伊藤の後を継ぐのは誰になるのか。
混合ダブルスのペアはどうやって決まる?
その前提として、選考方法を把握しておきたい。混合ダブルスはそれ自体の代表枠があるわけではなく、シングルスに出場する2名、団体に出る1名の男女各3名のうちから選ばれる。東京五輪で言えば、男子はシングルス代表の張本智和、丹羽孝希、団体の水谷、女子はシングルスの伊藤、石川佳純、団体の平野美宇が対象であった。
だからまずは、シングルス、団体戦の計3名に入ることが混合ダブルスに出場するための条件となる。
選ばれた各3名の中からの選出方法については、今年3月に日本卓球協会が発表した「2024年パリオリンピック男女日本代表候補選手選考基準の考え方」に次の一文がある。
「代表候補男女各3名の選手の中で、最高のペアリングと思われる混合ダブルスペア1組」
これは東京五輪の選考基準と同じで、どの組み合わせならいちばんよい結果を残せるのか、という観点が根本となる。
参考として、近年の混合ダブルスの動向を振り返りたい。