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“相性最高”だった水谷の引退で伊藤美誠は誰と組む? 混合ダブルスが「ただ強い者同士」のペアでは成功しない理由〈パリ五輪卓球〉 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byGetty Images

posted2021/09/06 11:02

“相性最高”だった水谷の引退で伊藤美誠は誰と組む? 混合ダブルスが「ただ強い者同士」のペアでは成功しない理由〈パリ五輪卓球〉<Number Web> photograph by Getty Images

左から水谷隼、伊藤美誠、張本智和

伊藤美誠の次なるペアは誰になるか

 混合ダブルスで実績を残してきたペアと言えば、吉村真晴と石川に行き当たる。2017年世界選手権で金メダルを獲得し、2019年の同選手権でも銀メダルと、国際大会で実績を残してきた。

 張本と早田ひなも存在感を示してきた。2019年6月、組んでからさほど間もないタイミングで迎えた2人にとっての2戦目、国際大会のジャパンオープンで準優勝。早田が「攻撃的に勝負できて、すごく相性がいいかなと思いました」と言えば、張本も「早田さんは男子と打ち合う力もあって、組みやすいです」と手ごたえを語った。その言葉の通り、同年11月のオーストリアオープンでは中国の上位ペアの一組である林高遠・朱雨玲ペアを決勝で破り優勝を飾っている。

 伊藤には水谷以外にも実績をあげてきた相手がいる。森薗政崇だ。2019年のカタールオープンでは東京五輪決勝でも対戦した中国の許昕・劉詩雯と決勝で戦い、敗れたものの準優勝の成績を残している。そしてこの二人は、全日本選手権で2018年から2020年にかけて3連覇を果たしているのだ。

張本・長崎の新星ペアは日本一まであと一歩だった

 その全日本選手権の決勝で、森薗・伊藤と2019、2020年に2年連続で対戦したのが張本と長崎美柚だ。

 2度目の決勝で敗れたあと、張本は「(森薗・伊藤は)いいときは2人が1人の感じ。僕たちはまだ少しばらばらな部分がありました」とコンビネーションに差を感じつつ、「昨年より可能性を感じました」と手ごたえも語っている。

 ここまでいくつかのペアを見てきたが、2017年6月の国際オリンピック委員会臨時理事会で混合ダブルスの五輪採用が決まってから、東京五輪を見越して卓球協会が有力選手にペアを組ませて大会に出場させるケースもあった。先にあげた2019年世界選手権は、もともとは張本と石川のペアを予定していたが、張本の怪我により吉村が出場した経緯がある。また、2018年の全日本選手権には張本と平野がペアを組んで出場しているが、これも協会による推薦という形式だった。

 いずれにせよ、どれだけ国内外の大会で実績を残しても、個人で五輪代表枠に入らなければならないのは先に記したとおりであり、オリンピックを見据えたペアリングの対象になるにしても、五輪出場の可能性を持つ位置にいなければならない。

【次ページ】 混合ダブルスでは、2人の「相性」が重要

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