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C・ロナウド、マンU復帰の舞台ウラ… “御大からの携帯着信”と「サー・アレックス、あなたのためにも」〈詳細レポート〉 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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photograph byGetty Images

posted2021/09/04 17:02

C・ロナウド、マンU復帰の舞台ウラ… “御大からの携帯着信”と「サー・アレックス、あなたのためにも」〈詳細レポート〉<Number Web> photograph by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッドの一員に再びなったC・ロナウド。彼の復帰の詳細とは?

 人一倍コンディションに気を遣っているものの、30代半ばの肉体がプレミアリーグの強くてエグいプレー強度に、どこまで耐えられるだろうか。

 C・ロナウドの加入に伴い、中堅、若手の出場機会が奪われ、数人の選手は構想外の憂き目に遭う。市場が終了する8月31日までに新チームが決まらなかったとしても、ユナイテッドで試合に出場できる確率は限りなく低い。リーグカップですらベンチに入れないかもしれない。守備意識に欠け、運動量もアクションも少ないアントニー・マルシャルあたりは覚悟しておいた方がいい。

デメリットを補って余りある得点力

 そして、どちらかといえばわがままで、自らが中心になっていないと気が収まらないタイプのC・ロナウドが、チームの輪を乱す恐れもある。守備が軽いポール・ポグバと同じピッチに立つとも思えない。

 さらに、ポジションがワントップにほぼ限定されること、決定率の低いFKを蹴りたがることなど、いくつかのデメリットも考えられる。

 ただ、彼の得点力は現在のユナイテッドが欲していたものだ。昨シーズンはB・フェルナンデスが18得点を記録したものの、FW登録で2けたに届いたのはエディンソン・カバーニ(10得点)とマーカス・ラシュフォード(11得点)だけだった。メイソン・グリーンウッドは常時出場すれば15得点前後が期待できる有望株だが、いかんせん未知数だ。

 こうした弱点を補うピースがC・ロナウドだったのだろう。

シティへの移籍報道が赤い悪魔を動かした

 1074試合・783得点・226アシスト
 バロンドール受賞:5回
 チャンピオンズリーグ優勝:5回
 プレミアリーグ優勝:3回
 プレミアリーグMVP:2回
 プロ選手協会MVP:2回
 ラ・リーガ優勝:2回
 セリエA優勝:2回
 FAカップ優勝:1回
 リーグカップ優勝:2回

 プロキャリアで輝かしい記録を刻んでいた。

 一連の流れを振り返ると、C・ロナウドの復帰はハプニングといって差し支えない。ユナイテッドは今夏の市場で、ウォルバーハンプトンのルベン・ネベスやブライトンのイブ・ビスマなど、中盤センターを追いかけていた。スコット・マクトミネイが鼠経部にメスを入れたため、このポジションは手薄である。

 右サイドバック拡充の一員として、アトレティコ・マドリーのキーラン・トリッピアも狙っていた。チームの事情を踏まえると、両ポジションの補強を優先すべきであり、アタッカーは必ずしも欲していなかった。

 しかし、シティによってすべてが変わった。彼らがケインを獲得していれば、C・ロナウドには興味を持たなかった。ユベントスとの交渉でも積極性を欠いていた。いうなれば、ローカルライバルの不手際によって全世界を驚かせる補強が現実に至ったのだから、この世の中は何が起きるのか皆目見当がつかない。

【次ページ】 「僕はここにいる。自分の居場所に戻ってきた」

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