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C・ロナウド、マンU復帰の舞台ウラ… “御大からの携帯着信”と「サー・アレックス、あなたのためにも」〈詳細レポート〉
posted2021/09/04 17:02
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
現地時間8月26日、敏腕エージェントのジョルジュ・メンデスがユベントスの練習場で目撃されている。目的は「クリスティアーノ・ロナウドが退団を希望している」と、パベル・ネドベド副会長に伝えることだった。その後C・ロナウドとマンチェスター・シティの急接近が噂され、ヨーロッパの主要メディアは一斉に契約間近と報じていた。
ところが、様相は一変する。件の主役の行き先は、同じマンチェスターでもユナイテッドの方だった。いったい、何が起きていたのか。
C・ロナウドのユベントス退団は、すでに作成されていたシナリオだ。マッシミリアーノ・アッレグリ新監督は6月初旬に、「来シーズンの主力としては考えていない」とC・ロナウドに告げている。
当然、エージェントのメンデスは顧客の仕事先を斡旋する。レアル・マドリー、パリ・サンジェルマン、シティ、チェルシーとコンタクトを図っていたことが後に確認されたが、C・ロナウド側の思惑は次々に外れていった。
マドリーの第一ターゲットはあくまでもキリアン・ムバッペだ。パリSGとシティはまったく興味を示さず、チェルシーはロメル・ルカクの獲得を検討しはじめていた。
ケイン獲得に失敗したシティがC・ロナウドに接近
しかし、シティの動きが市場に混乱を招いた。ハリー・ケイン(トッテナム)の獲得が失敗に終わったため、突如としてC・ロナウドに接近したのである。アタッカーを欲しているシティ、ユベントスにおける優先順位が下がったC・ロナウド。着地点を見いだしたかのようでもある。
ただ、シティはフリートランスファーを頑として譲らなかった。ユベントスは少なくとも3000万ユーロ(約39億円)前後の移籍金を要求していた。さしものメンデスも交渉する術がない。
もっとも、シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、オフ・ザ・ボールの際にもエネルギッシュな動きを要求する。C・ロナウドへの接近は合点がいかず、あくまでもフロント主導の発想と考えられなくもない。