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号泣の久保建英「こんな悔しいことはないし、この気持ちを…」悲願のメダルには届かなかったが、U-24日本代表は本当にアツいチームだった
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byGetty Images
posted2021/08/06 20:40
メキシコ戦後の堂安律と久保建英
スペイン戦で味わった悔しさを
<名言5>
スコア以上に差を感じたゲームだったのかなと。ただ、やれる自信もある。そこは負けたなかでも数少ない収穫でした。
(田中碧/NumberWeb 2021年8月4日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/849237
◇解説◇
五輪史上初となる決勝進出を――。意気軒昂のU-24日本代表の前に立ちはだかったのは、スペイン代表だった。十八番のポゼッションにも日本は辛抱強く守備ブロックを形成したものの、延長後半の115分に途中出場のマルコ・アセンシオに痛烈な左足シュートを被弾し、悲願はついえた。
ただ、日本は“やられっぱなし”だったわけではない。スペインの現地紙「マルカ」も「時間を使わされていた」と日本のゲームプランにハマっていたことを指摘していたし、実際にプレーしていた選手も、差は感じながらも手ごたえは感じていたようだ。
「もっとやれると思う自分もいれば、まだまだ足りないという自分もいます。やってきたことは間違っていなかったと感じながら、圧倒的な差を感じた部分もある」
このように語ったのは田中だ。川崎フロンターレでのここ数年は成長著しく、遠藤航との中盤センターでのコンビは“盤石の並び”となっているが、スペイン戦でも世界標準の強度に対してもひるまず前を向き、縦パスを狙う姿勢を見せた。
田中は新シーズンからドイツのデュッセルドルフへと新天地を求める。今大会でのプレーが次への飛躍のチャンスになるはずである。
メキシコ戦、胸を締め付けられた試合終了後の涙
そして迎えたメキシコとの3位決定戦、中2日が続いた日本の動きは明らかに鈍かった。メキシコにPKとセットプレーから3点を許し、反撃は途中出場の三笘薫のゴールの1点にとどまり、1-3で敗戦。タイムアップの瞬間、選手たちがピッチに倒れ込み、久保が号泣する姿に胸が締め付けられた人々も多いだろう。
「めちゃくちゃ楽しかったですけど、結果手ぶらで自分の家に帰ることになります。今までサッカーをやってきて、こんな悔しいことはないし、この気持ちを忘れないようにできれば」
久保はフラッシュインタビューで、東京五輪世代の総括を聞かれるとこう語った。久保だけでなく、この悔しさをヨーロッパ各国やJリーグなど所属するクラブでの戦い、サッカー人生に生かしていくはず。メダルにこそ届かなくても、そう思わせるだけの好チームだったことは確かである。
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