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号泣の久保建英「こんな悔しいことはないし、この気持ちを…」悲願のメダルには届かなかったが、U-24日本代表は本当にアツいチームだった
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byGetty Images
posted2021/08/06 20:40
メキシコ戦後の堂安律と久保建英
「勝っていたドミニカが、点の取れるところで走らなかったり、自分たちのミスからピンチを招いたり、やるべきことをやらずに崩れていった。良い教訓になったなと」
何も成し遂げていないからこそ、気持ちを引き締める。キャプテンの思いをチーム全体が共有できていることが伝わる90分間だった。
能活から谷へ「絶対にヒーローになれる」
<名言4>
「お前の直感を信じてやれば、絶対にヒーローになれる」と言われて、送り出してもらいました。
(谷晃生/NumberWeb 2021年8月1日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/849171
◇解説◇
準々決勝、ニュージーランド戦。“比較的与しやすし”という前評判はまったくの幻想であることを示す戦いとなった。徹底的に日本を研究した守備組織と、プレミアリーグで活躍するクリス・ウッドらの肉弾戦に、日本は苦しめられた。それでもチーム全体は守備の集中力と強度を保ち、120分間をスコアレスで終える。
ここでスポットライトを浴びたのが、今大会で正ゴールキーパーを任される谷と川口能活GKコーチだった。
「一応、見たんですけど、全然頭に入ってこなくて」
PK戦を迎える前に川口コーチは谷に対して、収集したキッカーのデータを熱心に伝えたのだという。ただわずかな時間ということもあってか、川口コーチは谷の能力を信じて送り出した。すると谷は2本目のキッカーのシュートを見事セーブ。続く3本目もシュートと同方向に飛び、失敗を誘発した。
日本の3人目のキッカーだった中山雄太はこのように振り返っている。
「僕が蹴るタイミングでは晃生がアドバンテージを作ってくれたので、晃生のアシストがあってこそだったと思うし、楽な気持ちで蹴れました」
ここ一番で本領を発揮する守護神――川口、川島永嗣らと引き継がれてきた日本代表GKの系譜が、谷にも引き継がれた瞬間として記憶されていくのかもしれない。