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「金メダルをかじってみたい!」クールな山田哲人が東京五輪に燃えているワケ…稲葉監督にかけた“誓いの電話”の内容は?

posted2021/08/04 11:02

 
「金メダルをかじってみたい!」クールな山田哲人が東京五輪に燃えているワケ…稲葉監督にかけた“誓いの電話”の内容は?<Number Web> photograph by JMPA

7月31日のメキシコ戦では3ランホームランを放つなど、獅子奮迅の活躍を続けている山田哲人

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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 延長タイブレークの末にアメリカを破り準決勝進出を決めた「侍ジャパン」。そのリードオフマンとして爽快な活躍を見せているのが、「1番・DH」で3試合連続先発する山田哲人内野手(ヤクルト)だ。

 7月31日の1次リーグ・メキシコ戦では、4回にチーム1号となる値千金の3ランを放つなど2安打4打点。加えて初見の相手投手のモーションを完璧に盗んで2盗塁を成功させた。続くアメリカ戦でも、8回に四球で出塁して盗塁し、捕手の送球が逸れる間にすかさず三塁に進むなど、足でも存在感を示している。

山田と侍ジャパンとの意外な“化学反応”

 トリプルスリーを3度達成した俊足の山田だが、今季のペナントレースでは出場80試合で盗塁数はわずか「3」。キャンプ中から下半身のコンディション不良を抱えながら戦っており、試合終盤で大事をとって代走が送られる場面すらあった。日の丸を背負っての獅子奮迅は、「世界一になるため、自分のできることは何でもやる」と公言してきた夢舞台への強い思いの表れだろう。

 もともと情熱を前面に出すタイプではない。ヤクルトでは今季からキャプテンをつとめているが、その重責も、これまで監督や先輩から幾度説得されても首を横に振り続けた末、ようやく引き受けたもの。あの山田哲人が「日本代表」や、「五輪」にここまで熱くなるなんて――。特にヤクルトファンは、侍ジャパンとの“化学反応”を意外な喜びと感じているのではないだろうか。

「高校時代も3年生で急にスイッチが入った」

 2019年秋に行われた国際大会「プレミア12」。台湾でのオープニングラウンドを取材中に、素朴な疑問をぶつけたことがある。

「オリンピック、本当に出たいの?」

 五輪への機運がそこまで高まっていなかった当時は、ポストシーズン終了直後の代表参加に消極的な声も多く聞かれ、コンディション不良を理由に、内々に辞退する選手も少なくなかった。3年連続140試合以上出場を続けていたヤクルトの金看板も、どちらかといえば熱量が低そうなタイプに感じていた。

 予想に反し、山田は勢いこんで答えた。

「絶対に出たい! 本当に金メダルが欲しい!!」

【次ページ】 山田が稲葉監督にかけた“誓いの電話”

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