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「金メダルをかじってみたい!」クールな山田哲人が東京五輪に燃えているワケ…稲葉監督にかけた“誓いの電話”の内容は?
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJMPA
posted2021/08/04 11:02
7月31日のメキシコ戦では3ランホームランを放つなど、獅子奮迅の活躍を続けている山田哲人
日本を代表する打者にそう言われて、喜ばない監督などいない。後日、稲葉監督にインタビューする機会にその話を向けると、指揮官は目尻を下げて明かした。
「(電話は)嬉しかったですね。あいつ変わりましたね。考え方がすごく変わった。チームのためにという思いも伝わってきたし、気持ちが強くなったと思います」
「金メダルが欲しい。かじってみたい!」
コロナ禍による1年の大会延期を経て迎えた2021年。山田の熱量は変わらなかった。稲葉監督が初めて視察した4月14日のDeNA戦(神宮)では実に自身2年ぶりとなる1試合2本塁打。コンディション面の不安を払拭する猛アピールに、指揮官は思わず「視察に来たタイミングで2本見られるのも何かの縁」とコメントしたほどだ。
押しの一手が実り、代表選出。いま夢舞台で、ヒリヒリとした連日の白熱戦を楽しんでいる。思い返せば十代の頃から、ひとたびターゲットを定めると、なんの衒いもなくそれを口にして、真っ直ぐ突き進んでいくのが山田のスタイルだったように思う。
次なる照準は、4日の準決勝・韓国戦。山田にとってはプレミア12の決勝で劇的アーチを放った、最高の記憶が残る相手だ。「金メダルが欲しい。かじってみたい!」。そう屈託なく口にしていた夢の実現まで、あと2勝。ターゲットまで一直線に走りぬき、抜群の勝負強さで掴み取りそうな、そんな予感がしている。
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