Jをめぐる冒険BACK NUMBER
遠藤航に林大地、いや全員が…久保建英・堂安律だけじゃない“メキシコ戦のヒーローぶり” 次戦で森保監督は“温存”するか〈思い出すロシアW杯〉
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2021/07/26 17:07
遠藤航らの活躍で強敵メキシコ相手に2-1。この勝利はさらなる自信になるはず
吉田が指摘した現状のチームの課題とは
「ハーフタイムには、次のゴール(3点目)を取ろうという話をしていた」
吉田はそう明かす。実際、65分に相馬に代えてスピードが武器の前田大然を、79分に林に代えてストライカーの上田綺世、堂安に代えて突破力のある三笘薫を投入し、カウンターを狙ってメキシコにトドメを刺しに行く。
68分に相手DFが退場となり数的優位を得たあとも、効果的なカウンターを繰り出すことができず、セットプレーから失点を喫してしまった。
さらには味方からボールキープの要求が出ていながら、仕掛けてボールを失う選手もいるなど、試合の終わらせ方には大きな不満が残った。
いや、それだけではない。吉田がチームの課題を指摘する。
「試合の入り方、勝っているときの試合運び、最後のセットプレー、ゲームの閉め方と、そこをもうちょっと向上させていかないと。決勝トーナメントに上がったとき、次のフランス戦もそうですけど、もっと苦しくなるので、まだまだですね」
このあたりは大会を勝ち進んでいきながら、修正していくしかない。
ロシアW杯ポーランド戦、森保監督はコーチとして
グループステージ突破の懸かったフランス戦は7月28日に行われる。
2試合で決勝トーナメント進出を決めるという当初の目論見は崩れたが、フランスはメキシコとの初戦に1-4と敗れているため、勝点のみならず、得失点差においても日本が大きなアドバンテージを握っているのは間違いない。
堂安や久保、林など2試合連続スタメン組に疲労がにじむなか、果たして森保監督はフランス戦にどんなメンバーを送り出すのか。
思い出すのは2018年ロシア・ワールドカップのグループステージ、ポーランドとの第3戦だ。1勝1分の勝点4で迎えたこの試合で西野朗監督は「余力を残して決勝トーナメントを迎えたい」という考えから、メンバーを大きく変更する。そしてこのとき、森保監督はコーチとしてベンチに入っていた――。
ワールドカップよりもはるかにタイトな中2日の試合間隔、18人しか選べない登録メンバー、真夏の日本でのゲーム。こうした厳しい条件のもと、優勝するにはフランス戦を含めてあと4試合戦い抜く必要があり、総力戦でなければ金メダルは掴み取れない。
代表チーム22人の"全員がヒーロー"になるべく、次戦はここまで出場機会の少ない選手たちの奮起に期待していいのではないか。
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