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「思っていた以上に酷い」バルサの“財政事情” 年俸50%減のメッシと再契約の裏で非情な人員整理が加速、グリーズマンも?
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2021/07/20 17:01
メッシと再契約を結んだバルセロナだが、財政事情は厳しく、今夏は多くの選手を手放すこととなりそうだ
そこでバルサは、トディボ、ジュニオル・フィルポ、アレニャを放出して、マテウス・フェルナンデスとの契約を解除し、トリンコンをウォルバーハンプトンに貸し出した。
ウムティティとピアニッチには「解約金を払うので好きなクラブヘ移ってくれ」と頼み、ラングレとブライスワイトに対する好条件のオファーを待ちながらコウチーニョの買い手を探してきた。
バルサの次の仕事はグリーズマンを移籍させること
そんななか、メッシ父との間で遂に話がまとまった。
新しい契約期間は、結局5シーズン。だが、23年夏に退団可能で、その場合メッシには功労ボーナスが支払われる。年俸はこれまでの50%になるが、2年目は増額され、3年目以降は逆に減っていくという内容だ。
バルサがリーガに契約合意を知らせたところ、チームコスト削減を続けるならば「特に問題なし」とされたらしい。
ラポルタ会長を始めとする役員たちは、いろんな意味で胸をなで下ろしたことだろう。
メッシがいるから出資するスポンサーがいる。メッシがいるから契約金額は大きくなる。肖像使用料収入もしかり。加えて、メッシの姿勢により他選手との年俸交渉がスムーズになる。なにしろキャプテンで世界最高の選手が、50%減を進んで受け入れたのだ。
この原稿を書いている時点で、バルサの次の仕事はグリーズマンを移籍させることだと見られている。クーマン監督は彼を買っているが、メッシの慰留に成功したいま、最優先すべきはメッシ(と新加入組)のためにチームコストを減らすことだ。チームで2番目の高給取りであるグリーズマンを手放せば、その額は大きく下がる。
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